【SIerの仕事の流れ】IT業界未経験でも働ける?【事例紹介】

業界知識
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どうも、タナシンです(・∀・)ノ

皆さんはSIerって知っていますか?

システムインテグレータの略称であるSIer。
なんとなく聞いたことはあるかもしれませんが、以下のような疑問はありませんか?

  • 実際にSIerはどんなお仕事をしているの?
  • 我々に何をしてくれるの?
  • SIerの仕事の流れは?どんな種類の仕事があるの?
  • IT経験のない自分でも働けるのか?

今日は、実際にSIerで働いている私、タナシンがざざっとその疑問にお答えしたいと思います!
SIerに就職したいと考えている学生や、次の転職先を探している人は必見の内容ですよ!

結論だけ知りたい人は、まとめだけお読みください。

SIerのお仕事

まずは最初の疑問「実際にSIerはどんなお仕事をしているの?」にお答えしたいと思います。
結論から言います。

SIerは顧客企業から「欲しい!」と言われたシステムを良い感じに作って提供

しています!

これは裏を返すと「我々に何をしてくれるの?」の回答になります。
つまり、SIerは我々にシステムとそれに付随するサービスを提供してくれるというわけです。

システムと言われてもよくわからないですよね。
ちょっと簡単な例を使ってお話します。

例えば、皆さんはWordやExcelといったアプリケーションを使っていますか?スマホのメールアプリやLINEをイメージしてもらっても構いません。このようなアプリケーションもシステムの一つです。
皆さんはWordを使いたいと思ったら、家電量販店やネット通販で購入すると思います。スマホでメッセージをやり取りしたいと思ったら、アプリストアからLINEをダウンロードすると思います。
つまり、アプリ(システム)がほしいと思ったら、我々は自分で必要なものを見つけて買いに行くわけです。

企業も同じで、何か会社で使うシステムがほしいと思ったら購入する必要があります。
しかし企業で使うようなシステムは、家電量販店やネットでポチッとするだけで買えるものは少ないです。
そんなときに登場するのが、SIerです。
企業はSIerに「こんなことしたいんだけど、なんか良いシステムある?」と聞きます。
相談をもらったSIerは「おかのした!」と返事をして、企業の要望に合うシステムを仕入れたり見繕ったりして提供します。
基本的にSIerがやっていることはこれだけです!

SIerは商社に近い?でもやっぱ違う!

ここまで聞いた方で察しの良い方は気づいているかもしれません。
この仕事、何かに近いと思いませんか?
そうです。

SIerは商社に近い

のです。
SIerは顧客の要望に合うシステムを仕入れて納めるという動きであるため、商材を仕入れて横流ししている商社と近い仕事になります。
ちなみに、そのまま顧客に納められるシステムのことを、ソフトウェアパッケージ、あるいは単にパッケージと言ったりします。

しかし、商社とSIerには大きな違いがあります。
それは

世の中にないものを提供しなければならない場合があるという点

です。
企業がシステムを購入する場合、どうしても企業の事情や要望のために、既存のシステムをそのまま使えなかったり、そもそも要望を満たすシステムが世の中にない場合があります。
そういう場合、SIerは企業の要望に合うシステムを一から作ります
そして、その作ったシステムを企業に提供することで、お金をもらうわけです。
世の中にあるものを仕入れて売る商社との大きな違いはここにあります。

この”システムを作る”というを開発といいます。
そして多くの場合、システムを作る場合は一から作るのではなく、世の中にすでにあるシステム同士をつなぐことで作ることが多いです。これをシステムを統合すると言い、”システムインテグレーション”と言います。
これがシステムインテグレータの名前の由来で、SIerの語源です。
ちなみに、システムを繋がず、一からシステムを作ることを”フルスクラッチ開発”と言います。

余談ですが、SIerは和製英語です。
システムインテグレータは英語で記載すると”System Integrator”なので、綴りが違います。
これはSIerが日本特有の企業体であるからなのですが、その話は別記事でしたいと思います。

SEやPGだけじゃない!SIerの業務の流れ

ここでは3つ目の疑問「SIerの仕事の流れは?どんな種類の仕事があるの?」という点についてお話したいと思います。
結論から言いますと、

かなりいろいろな種類の業務があるのがSIer

です!

よく、SIerやIT業界で働くと言ったら、システムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)が焦点に当てられることがあります。
そのため、転職のためにプログラムを学習しましょう!という話が度々出てくるのですが、ちょっと考えてみてください。

そもそもSEやPGだけじゃ会社って成り立たなくね?

って思いませんか?
その疑問は正解で、SIerにもSEやPG以外の仕事がたくさんあります。
総務・人事・財務経理・法務などなど、一般事務系はもちろんですが、顧客にパッケージ商品を提供する部分だけ見ても、以下のような業務の流れと種類があります。

SIerがシステムを提供するときの業務の流れ
  • 仕入れ:使えそうなパッケージを探して仕入れる
  • マーケティング:仕入れたパッケージを必要としている企業を探す
  • 営業:マーケティングで見つけた企業にパッケージ商品を紹介する
  • プリセールス:企業に技術的な紹介・デモを実施する
  • 提案:企業にパッケージの導入を提案する
  • 開発:必要に応じてパッケージのカスタマイズや追加機能の開発をする
  • 導入:パッケージやシステム、サーバーなど仕組みを顧客企業の環境に導入する
  • 保守:顧客企業に導入したシステムのトラブルや不具合対応・支援をする

※この流れはあくまで一例です。特に仕入れとマーケティングは逆になる場合も多いです

この中で、いわゆるSE/PGが担当するのは、開発・導入・保守の部分になります。細かく分けるともっと業務はありますが、それはここでは割愛します。

ここで言いたいのは、つまるところ、

開発より前の工程はSE/PG以外の仕事になる!

ということです。

ただ、1点注意があります。
誰がどこまでやるかというのは、結構SIerごとに違います。SIerごとどころか、同じSIer内でも部門ごとにちょっとずつ違ったりします。
一般的な役割としては、以下のようになると思います。

各業務の役割分担
  • マーケティング部門:仕入れ、マーケティング
  • 営業部門:営業、プリセールス、提案
  • 技術部門:開発、導入、保守

ただし、上記の役割分担をちゃんと分けている企業は多くないかもしれません。
逆に、プリセールスに関しては「営業技術」という専門部隊を用意している会社もあります。
ちなみに私は技術部門に属して5年以上経ちますが、上記の役割すべてをこなした経験があります。

言い換えれば、やる気さえあればいろいろできるのがSIerです。
※だたし、会社によって変わります 笑

また、細かく言いますと、最近はパッケージの導入についても、ただ入れるだけでなく、顧客業務のやり方を変えるコンサルティングのような業務も多くなっています。
むしろ、開発以降は外注して、コンサルをメインにしているという会社も無きにしもあらず……
このあたりは別記事で紹介したいと思います。
私は技術者ですが、最近はほとんどコンサルティング業務をやっています。SIerのコンサルってコンサル企業の業務と何が違うの?というのも、別記事で書きたいと思います。
お楽しみに!

IT経験のない人でも働けるのか

いよいよ最後の疑問「IT経験がない自分でも働けるのか?」について答えていきます。
これも結論から言います。声を大にして言います。

IT経験ない人でもSIerで働くことは可能です!

上記の業務の流れを見ていただくだけでも、SIerの業務の種類がかなり多いことはおわかりいただけたかと思います。
そのため、ITに特化した技術・経験を持っていなくてもSIerの社員として貢献できる人は多いです。

ただし、ここで注意いただきたいのは「IT経験がない」という言葉は、「業務上、ITを提供するような仕事をしたことがない」や「プログラミングをしたことがない」ことを意味するということです。
要は、IT業界未経験ということですね。
さすがに、「パソコン触ったことないです」や「アプリケーション?なにそれ、おいしいの?」というレベルの方は働くのは厳しいです。これはSIerやIT業界に限らないと思いますが……

では、実際にIT業界の経験がなくてSIerで活躍している人はどんな人がいるのかを具体例を混ぜてお話したいと思います。
ここでは、私の周りで非IT業界から転職してきて活躍している人を例にお話していきます。

自動車ディーラーから転職してきたAさんの例

Aさん
Aさん

自動車ディーラーで車を販売していました。
その経験で身につけた、お客さんとの交渉力や商品の売り込み力を駆使して、SIerではクライアント営業をしています。

Aさんは、ディーラーの経験を活かして営業をしている方です。
IT業界は初だったようですが、クライアント営業(特定の企業の担当営業)として顧客の懐に入り、顧客課題の解決に繋がるIT商品(パッケージ商品など)をバンバン紹介しています。
AさんはITの基本知識はありますが詳しいわけではないので、たまに商品の機能についてちょっと間違ったりしています。ですが、持ち前の人当たりで顧客の信頼を得て、営業として活躍しています。

Aさんのように、営業経験があれば、IT知識が多少怪しくても、SIerで活躍できます!

部品メーカーから転職してきたBさんの例

Bさん
Bさん

部品を作るメーカーで設計者をしていました。
今は設計者のときに使っていたITツールを中心に、顧客企業にパッケージを導入したり、業務で使うときのサポートをしています。

Bさんは部品の設計者のときに使っていたITツールの知識をそのまま活かして、技術者として活躍しています。
IT業界は初めてということもありますが、ユーザの視点で顧客を支援できる技術者として活躍しています。

Bさんのように、IT技術の知識がなくても、業務とそこで使われるソフトウェアパッケージの知識があれば、SIerで活躍できます!

工場から転職してきたCさんの例

Cさん
Cさん

工場で生産管理の仕事をしていました。
今は工場での経験を活かして、IoTやスマートファクトリーの提案をしています。

Cさんは長いこと工場の生産管理の仕事をしていました。そのときに感じた課題を元に、ITを活用してこうやって解決すれば良いという考えを提案するというお仕事で活躍しています。
提案はシステムの構想を考える部分ですので、システムやパッケージの詳細に詳しい必要はありません(詳しいに越したことはありませんが……)。しかし、現場の課題を知っていないとできない作業です。

Cさんのように、ITへの理解がそんなに深くなくても、ユーザの課題をしっかり理解していて、それを解決できそうなIT技術への勉強姿勢があれば、SIerで活躍できます!

いかがでしょうか?
IT業界未経験でも、SIerで活躍できるイメージはできたかと思います。
興味が湧いた方はぜひSIerについて気にしてみてください!

まとめ

本記事では冒頭の疑問に対して以下のように回答しました。

  • 実際にSIerはどんなお仕事をしているの?
    • 顧客の要望に合ったシステムを提供するお仕事
  • 我々に何をしてくれるの?
    • システムやそれに付随するサービスを提供してくれる
  • どんな種類の仕事があるの?
    • マーケティング、営業、技術など幅広い仕事がある
  • IT経験のない自分でも働けるのか?
    • 働ける!

というわけで、この記事で少しでもSIerに興味を持っていただけたら幸いです。

また、この記事をお読みの方は「今SIer業界って良いの?」や「興味を持って転職してみたいけど、どうしたら良いの?」「事前に付けたほうが良い知識や資格ってあるの?」という疑問を持つかと思います。
そのような疑問に答える記事も今後記載していきますので、お待ちいただければと思います!
乞うご期待!

それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪

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