どうも、タナシンです(・∀・)ノ
今回は資格物シリーズ第3弾、ITストラテジスト編をお送りします!
ITストラテジストといえば、情報処理技術者試験の最高峰である高度試験の中でも最難関と言われることもある試験です。
特にITストラテジストはIT業務における超上流を担当する人間が取得する資格であるため、この資格を受験しようと考える人の多くは非常に優秀な方が多いと思います。
ですが、優秀であるがゆえに、日々の業務が忙しく、試験勉強の時間を十分に確保できないという方もいると思います。
ですが安心してください!
勉強期間が短くてもITストラテジストは合格できます!
特にこの資格を受験しようと考える優秀な方であれば、短期間での合格は可能です!
ただ1点、注意があります。
こちらの記事の対象者は応用情報技術者相当の資格を持っている人です。
応用情報技術者を持っていないレベルの方ですと、もう少し本腰を入れて勉強しなければならないと思います。
予めご了承いただければと思いますm(_ _)m
ですが、必ずしも応用情報技術者を持っていなければ受からないというわけではありません。
それ相応の知識を持っていれば、大丈夫です。
この記事でも勉強の仕方に触れますが、応用情報技術者に対する勉強方法は以下にまとめていますので、合わせて参考にしていただければと思います。
また、今までの資格記事同様、こちらの内容は私の経験を元にした記事です。
ですので、必ずしも万人に当てはまるものではありません。
そこはご承知ください。
それではやっていきましょう!
ITストラテジスト試験とは
例のごとく、まずは敵を知りましょう。
高度情報処理技術者試験とは
ちょっと前置きとして、高度情報処理技術者試験についてお話します。
高度情報処理技術者試験というのは、その名の通り、情報処理技術者試験の中でもレベルが高いものを言います。
具体的には応用情報技術者よりも専門性の高いレベルです。
基本情報技術者や応用情報技術者が広く浅くなゼネラリストだとしたら、高度情報処理技術者は狭く深くのスペシャリストです。
専門性が高いことから、高度試験と言われるわけです。
高度とつくと難しいと感じる方が多いと思います。
実際、専門的な知識が必要になるため、難しいことは難しいです。
ですが、応用情報技術者比べれば、狭い範囲の話になりますので、総合的な勉強量という点で見れば、応用情報技術者と比べてとても多くなるというわけではありません。
高度試験は全部で9つの区分に分かれます。
スペシャリスト向けの試験であるため、各分野ごとに資格を取得することになります。
正確には、高度試験8分野と情報処理安全確保支援士試験をあわせて9区分です。(情報処理安全確保支援士は、数年前まで情報セキュリティスペシャリストという高度試験の1つでした)
各区分は以下です。
- ITストラテジスト
- システムアーキテクト
- プロジェクトマネージャ
- ネットワークスペシャリスト
- エンベデッドシステムスペシャリスト
- ITサービスマネージャ
- システム監査技術者
- 情報処理安全確保支援士
ITストラテジストとは
ITストラテジストは高度試験の1区分に当たる資格です。
ITストラテジストは資格名にITと付いていますが、実際はコンサルタントに近い立ち位置の資格です。
IPAの対象者像には以下のように描かれています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者
引用:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/st.html
つまるところ、ITを駆使した経営戦略などを検討できる人物ということになります。
巷の言葉でいうとITコンサルタントなどが近いかもしれません。
そのため、ITストラテジストはITシステムの構築や実現を考えることはもちろん、それが経営にどう影響するか、企業の戦略としてどういう位置づけの仕組みなのかを意識する必要があります。
この視点は、午後Ⅱの論文試験で大切になりますので、心がけておいてください。
ITストラテジスト試験概要
それでは、ざっくり試験概要を見てきましょう。
試験時間
試験は午前2つと午後2つの計4つに分かれています。
- 午前Ⅰ 9:30~10:20(50分)
- 午前Ⅱ 10:50~11:30(40分)
- 午後Ⅰ 12:30~14:00(90分)
- 午後Ⅱ 14:30~16:30(120分)
非常に長い試験になります。
ですが、午前Ⅰだけはある条件を満たすと免除になります。
その条件は以下です。
- 応用情報技術者試験に合格してから2年以内に受験する場合
- 他の高度試験の午前Ⅰに合格してから2年以内に受験する場合
ようは、午前Ⅰは応用情報とか他の高度試験の午前Ⅰ試験と同等の内容だから、2年以内なら受けなくて良いよということです。
出題形式
午前
午前は応用情報技術者試験同様、選択式です。
一問一答の形式で、各設問は4つの選択肢の中から1つだけ正解を選択する形式です。
午前Ⅰに関しては、応用情報と全く同じレベルの問題が出題されます。
午前Ⅱに関しては、出題形式は午前Ⅱと同じですが、内容は各専門分野に特化したものになります。
特化はしているものの、難易度は午前Ⅰと比べてとてつもなく上がるわけではありません。
午前試験の合格点は、応用情報技術者同様6割です。
午後Ⅰ
午後Ⅰの試験は応用情報技術者の午後試験同様、記述式の試験になります。
時間は90分ですが、おそらく時間はそんなに厳しくないと思います。
ある程度問題に慣れていれば、少し余るくらいだと思います。
この試験では、4つある大問の中から2つを選び、回答します。
ここでの大問4つは、応用情報のような分野という括りというよりか、テーマという形で分かれています。
システム投資についてやIoTやビッグデータなどなど、あるテーマで書かれた文章を読んで問題に回答していきます。
はっきり言います。国語のテストです!
設問をよく読んで、文章をよく読んで、正しい答えを回答します。
特別な知識がなくても回答できる部分がほとんどです。
そう、午後Ⅰの試験は専門知識がほとんどなくても解くことができます。
午後Ⅰの合格点も午前同様6割となります。
午後Ⅱ
午後Ⅱは論文試験です。
正式には論述式という試験になります。
時間は2時間という長丁場ですが、基本的に時間は余らないと考えて良いです。
論述自体は、受験者が実際に体験した案件を元に記述していきます。
そのため、この試験の冒頭は、設問に回答する前に担当した案件に関するアンケートのようなものを書かされます。
案件期間やプロジェクトメンバー規模、金額規模等を書くことになります。
この後の大問に回答する際は、このアンケートに記載した案件をベースに論じていきます。
大問は全部で3つあり、そのうち1つを選択して回答します。
この3つというのはテーマで分かれています。
各大問には各々3つの設問があります。
この設問はすべての大問でほとんど変わりません。
つまるところ、書きやすいテーマで3つの設問に答えてくださいというのが、午後Ⅱの試験なわけです。
各設問はア,イ,ウの3つで、各々以下のような内容を論じることになります。
設問ア
- 論述する案件の背景や概要を論述します。
- 文字数は800字以内です。
設問イ
- 案件で実際に行ったプロセスを論述します。目標達成のために考えた戦略、実行するために行った工夫などをできる限り詳細に記載します。
- 文字数は800字以上1200字以内です。
設問ウ
- 案件の中で発生した課題や検証の内容について、結果や改善点について論述します。
- 文字数は600字以上1200字以内です。
経験がベースになることから、必ずも合致する経験のない方はなかなか苦しい試験です。
また、2時間で2000字以上記述するということから、体力的にもなかなか苦しい試験です。
論述試験の評価はA,B,C,Dの4段階です。
合格するにはA判定を取る必要があります。
Bだともう一歩、C,Dはダメダメですという評価になります。
勉強の仕方
午前試験と午後Ⅰ試験に関しては、形式が応用情報技術者とほとんど同じであるため、対策はほとんど同じです。
というか、全く同じと言っても過言ではありません。
午前はひたすらWebの過去問を解き、午後Ⅰは過去問で試験形式に慣れるというものです。
詳細を知りたい方は、応用情報技術者試験のページを見てみてください。
ですので、ここでは参考となるWebサイトと参考書の紹介のみに留め、勉強法は午後Ⅱの内容をメインに扱っていきたいと思います。
午前・午後Ⅰ試験の勉強方法
午前に関してはいつも紹介している以下のWebサイトでひたすら過去問を解いてください。
これが完璧に慣れば絶対大丈夫です。
すべてできるようになっていれば、応用を利かせることで8割以上得点することができます。
https://www.qeq.jp/jouhou/kakomon/ST/index.html
参考書は午後試験のことも考えて、以下のものをおすすめします。
午後Ⅰの試験は上記の参考書をやっておけば慣れることができると思います。
不安な方はブックオフなどで過去問を漁ったり、IPAのホームページにある過去問を問いてみるのも良いと思います。
ただ、IPAのホームページの過去問は解説がありませんので、できれば解説付きの過去問題集を使うことをおすすめします。
応用情報技術者の記事でも言いましたが、この手の記述式の問題は考え方を身につけることが大切です。
ですので、解答を導き出すまでの思考をトレースできるものを使ったほうが良いです。
午後Ⅱ試験の勉強方法
さて、勉強方法の本題はここからです。
対策を含めお伝えしていきたいと思います。
まずは勉強方法の前に、受験までにやっておくべきな大切なことを箇条書きにします。
- 過去の問題がどのような形式・内容になっているかを把握する
- 典型的な論文の書き方を把握・身につける
- 本番で書く案件テーマの吟味と内容づくりを行う
上記に関して、簡単に説明します。
過去問の形式・内容の把握
まず過去問の形式・内容を把握するという点に関してですが、これは地味に重要です。
各大問の3つの設問はほぼ同じとお伝えしましたが、実際は若干設問パターンが異なります。
しかしこの設問はある程度決まったパターン・型があります。
ですので、それを知っていれば、どのパターンの問題であるか瞬時に判断することができます。
また、問題のパターンによって解答のパターンも決まってくる部分があります。
ですので、スムーズに解答の骨子を固められるようになるためには、まずは敵のパターンをしっかり把握しておくことが重要です。
典型的な論文の書き方の把握
これは非常に重要です。
どんなに内容が良いものであっても、正しい論文の書き方になっていないがゆえに、相手に伝わらず、不合格になるということはよくあります。
むしろ、内容がショボくても、この書き方をしっかり把握し、そのとおりに論述すれば、合格までもう一歩であるB判定はもらえます。
案件テーマの吟味と内容づくり
これは対策として最も時間を掛けるところです。
なぜなら、ここを作り込めばこむほど、試験時間を節約できるからです。
試験概要で、論述試験では案件に関するアンケートを書かされるとお伝えしたと思います。
バッチリ該当する案件がある人に取っては、取るに足らないものかもしれませんが、合う案件がない人は仕立て上げる必要があります。
それも、場合によっては、テーマごとにいくつか作ったり、複数のテーマに対応できるような案件に編集したりする必要があります。
そして、この案件内容をしっかり作り込んでいけば、アンケートに取られる時間は減りますし、テーマに合わせた回答例を作成しておけば、試験中はほぼその考えを書き写すだけで完了です。
(アンケートは試験時間内に記入することになるので、注意です)
大切なことを3つ挙げましたが、肝心な勉強方法について、お伝えします。
良い参考書でひたすら過去問を学んでください!
ここまで引っ張って、結局過去問かよという方もいるかと思います。
ですが、これが最短最速で、かつ最も役立つ勉強方法です。
そして、特に声を大にして言いたいことは、
ITストラテジストの論文対策は業務に活かせる
ということです。
論文試験は模範解答というものがありません。
ですので、多くの参考書は、筆者の経験を元に書かれていたり、実際の受験者の解答を元に書かれているものがほとんどです。
これはつまり、ITストラテジスト相当の人の案件における立ち居振る舞いや考え方を学ぶことができるということです。
おそらく、ITストラテジストは資格を取ることよりも、その過程で得ることができる経験値のほうが大きな財産だと思います。
で、結局どの参考書で学べばよいの?というのが皆さんの疑問かとともいます。
私は断然以下の参考書をおすすめします。
こちらの参考書は、実際の受験者の解答を添削する方式で解説されている参考書です。
午後Ⅱの試験に特化したものになっています。
更に論文の書き方や体裁についてもしっかり記載されており、これをそのままフォーマットとして書く練習をすれば全く問題ありません。
実際の受験者の解答が解説されていることで、等身大の案件内容を知ることができますし、実際に書かれた論文の良い点・悪い点がはっきりします。
ただ読むだけでも、そういう書き方をしたら伝わるのか、どういう書き方は悪いのかがわかります。
こちらは何回も読んだり、実際に写経したり、これを元に案件ネタを書き出したりしても全く損はありません。
私は午後Ⅱの試験はこれだけでのりきりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ちょっと内容が長くなってしまい申し訳ございません。
ですが、それだけ書くことが多くなるくらい、ITストラテジストは難しい試験です。
ですが、受からない試験ではありません。
毎年合格率は15%程度のようです。
運良くこの数字になっているとも思えないので、もしかしたら論文試験で調整が入っているのかもしれません。
その場合、合格するには上位15%に入るような論文を書かなければいけないように感じるかもしれませんが、そこはビビらなくても大丈夫です。
論文試験に行き着く人はおそらく受験者の半分程度でしょう。
なので、論文の質という意味では、実際に論文試験を書いている人の上位30%くらいに入れば大丈夫だと思います。
……それでもちょっとハードル高いかもしれませんが 笑
ですが、ITストラテジストは大手SIerやコンサル企業で通用するような考え方を身につけるのに良い試験だと思います。
ぜひ、資格を取るという観点だけでなく、自分の能力の幅を広げるという気持ちで受けてみてください。
皆さんの受験に幸あれ!
それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪
以下、本記事で紹介した参考書
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