「好きを、つらぬけ。」
どうも、タナシンです(・∀・)ノ
今回ご紹介するのはこちら
映画 ハケンアニメ!
いたるところで宣伝されている話題の本作。
今回時間を作って見てきましたので、内容と感想をご紹介します!
先に言っておきます。
マジで最高の映画や!
それではいってみましょう!
『ハケンアニメ!』とは
先に、『ハケンアニメ!』について簡単にご紹介します。
『ハケンアニメ!』は作家・辻村深月氏が2014年に手掛けた小説が原作の映画です。
小説のタイトルも映画タイトル同様『ハケンアニメ!』です。
本作は漢字で表現すると『覇権アニメ』になり、アニメ業界のお仕事をテーマにした小説です。
現在アニメは毎クール何十本と作成されています。
ちなみに1クールは四半期のことです。
その各クールの中で最も話題となった、最も売れた作品のことを『覇権』を取った作品として、『覇権アニメ』と評します。
それに則り、『ハケンアニメ!』は、アニメを手掛ける監督・プロデューサー・アニメーター・声優などなどに焦点を当てて、覇権となるアニメの制作に携わるさまを描いた作品です。
主要な人物は結構いますが、物語の構図としては2人の監督が主軸になります。
天才アニメ監督・王子千晴、新人監督・斎藤瞳。
この二人が同じ日曜の17時枠でアニメを手掛けることになります。
そして、無謀にも新人監督の斉藤瞳が、天才アニメ監督の王子千晴に挑むという物語です。
本作はアニメ制作がメインの物語ということもあり、アニメ制作現場の裏側までかなりリアルに描かれています。
これは作家・辻村深月氏の取材力の賜でしょう。
アニメ業界に興味がある人もない人も、「こんなふうになっているんだ!」と感心させられる作品です。
気になる方は原作小説をぜひ読んでみてください!
表紙は有名漫画集団・CLAMPが手掛けたこともあり、話題になっています!
また、最近続編というか短編集という形で『レジェンドアニメ!』という小説も出ています。
こちらは『ハケンアニメ!』の登場人物たちを深掘っている物語になります。
『ハケンアニメ!』が気に入った方なら、かなり満足度が高い作品になっていますので、合わせて見てみてください!
映画『ハケンアニメ!』
映画あらすじ
少しだけ映画のあらすじを語ります。
ネタバレを含みますので、これから見る方は注意してください!
天才アニメ監督・王子千晴の作品に影響を受けて、斉藤瞳は新卒で就職した公務員をやめ、アニメ業界に飛び込みました。
業界に飛び込んで7年。
瞳はついに監督デビューが決まります。
手掛ける作品は『サウンドバック 奏の石』、通称『サバク』。
敏腕プロデューサー・行城理に抜擢された瞳でしたが、こだわりの強い瞳は周りと軋轢を生んでしまいます。
さらに瞳にとって強敵が立ちはだかります。
それは瞳が憧れていた人物・王子千晴でした。
王子は『サバク』と同じ時間帯に『運命戦線リデルライト』、通称『リデル』を手掛けることになりました。
天才アニメ監督と評される王子と、否が応でも比べられる状態に陥った瞳。
それでも瞳は王子を越え、『サバク』を覇権アニメにすべく奮起します。
癖の強い制作陣とのコミュニケーションに悩んだり、プロデューサーの行城から振られるプロモーション関連の仕事に押しつぶされたりと、思うように制作を進められないことに悩む瞳。
終いにはアフレコの現場でヒロイン声優の群野葵を泣かせる事態も起こしてしまいます。
対する王子陣営も、決して余裕ではありませんでした。
製作途中で監督である王子が失踪する事件が起きます。
プロデューサーの有科香屋子があの手この手を尽くしますが、結局見つけることはできませんでした。
いよいよ監督交代の声も出始めたとき、やっと王子が戻ってきます。
それは、同じ枠で『サバク』を手掛けることとなっている瞳との対談の日でした。
瞳と王子の対談は、ほぼほぼ王子の引き立て役として瞳がいるかのような流れでした。
しかし、そんな中でも瞳は人一倍のこだわりを見せ、王子に宣戦布告します。
そして、本格的に二人の戦いの火蓋が切って落とされました。
瞳は王子からもらったアドバイスや、視野が広がったことにより、少しずつ周りと良好な関係を築き始めます。
制作は多難であるものの、順調に進んでいました。
そして、いよいよ放送が開始します。
放送当初。
『サバク』と『リデル』はほぼ差のない好調なスタートでした。
しかし、回を重ねるごとに徐々に視聴率に差が開き始めます。
クールの半分がすぎる頃には、もはや『リデル』の圧勝かと思われました。
しかし、持ち前のこだわりと周りの制作陣との噛み合いが良くなってきた『サバク』は、徐々に視聴率を盛り返します。
『サバク』は非常に良い波が来ていました。
ですが、最終話直前。
瞳はある決断をします。
ラストを変える。
それは、一度決めた最後の終わり方を、全く逆の展開に変えるという選択でした。
制作時間を考えると、今からの変更は現実的ではない。
制作進行は大反対しました。
しかし、そこに助け舟を出したのは、散々プロモーションに瞳を借り出していた行城でした。
プロデューサーである行城の後押しもあり、『サバク』はラストを変えることになりました。
そして、なんとか放送に間に合わせることに成功します。
最終話の放送後。
視聴率の集計結果が出ます。
その結果は——
と、最後の結末はぜひ映画館で見て確認してください!
以上、あらすじでした。
感想
ここからの感想はフルスロットルで記載します。
あらすじ以上に思いっきりネタバレする可能性がありますので、それでも良い方のみ読んでくださいm(_ _)m
まず最初に結論から。
マジで最高に素晴らしい作品でした!
この作品はバトルものです。
アニメという創作を通して、監督と監督、アニメとアニメが戦う作品です。
とは言っても、もちろん誰も死にません。
病気にもなりません。
瞳がちょっと体調を崩しますが、それくらいです。
ですが
私は、本作で号泣しました(´;ω;`)
ウルッとしたというレベルではありませんでした。
大粒の涙が頬をつたっていきました。
正直、自分でも信じられなかったです。
ですが、それくらい物語に感動しました。
もともと原作小説が好きというのはありますが、それにしても予想以上の感動でした。
ちょっと語っていきます。
まず、本作は結構原作と設定レベルで異なる点があります。
瞳が憧れたのが王子だったという話の根幹部分がすでに違います。
原作では、別の監督に憧れて、瞳はアニメ業界に入ります。
それも、就職してからの転職ではなく、学生時代に感銘を受けて、法学部からアニメ業界へという設定でした。
なので、結構設定背景としては異なります。
ですが、この改変は個人的には良いところだと思いました。
瞳と王子の関係性をより強調しており、瞳が王子を目指す理由というのがとてもわかりやすかったからです。
作中、そこに感情移入して、「なんとかして王子に勝つ方法はないのか」と考えてしまう自分がいました。
ですが、ラスボス的に描かれた王子も人の子です。
王子が途中疾走したのは、天才としてのプレッシャーに押しつぶされそうになり、しかしその中でも良い作品を作らなければならないという使命感からでした。
その苦悩は、一人のクリエイターとして尊敬の念しかないです。
王子は本当にストイックなクリエイターの象徴というキャラクターでした。
この人間臭い姿が、より一層王子というキャラクターの魅力を引き立て、敵だけど憎めない役どころになっています。
あと、登場人物としてもう一人象徴的なのは、プロデューサーの行城でしょう。
行城は始め、アニメを売ることにしか注力していないプロデューサーとして登場します。
売ることをひたすら優先し、そのための施策を考え、必要とあれば監督の容姿も利用する。
そういう役柄です。
ですが、物語が進むに連れて見えてくるのは、「絶対に多くの人にアニメを届けて見せる」という役目に邁進しているプロ意識でした。
それは裏を返せば、「届きさえすれば絶対に刺さる」というくらい『サバク』と瞳のことを信じていたとも取れます。
これがわかったとき、この行城というキャタクターが愛おしくなりました。
最後には、瞳にやらせていたいろいろな仕事は、今後どこに行っても周りと上手くやるための処世術を身に着けさせるためだったとも明かします。
そのツンデレみたいな行動が、本当に格好良かったです。
個人的には本作で一番好きなキャラクターかもしれません。
まだまだキャラクターの魅力は尽きないのですが、長くなるので次の魅力に行きます。
本作のもう一つの魅力は、作中アニメのクオリティです。
作中に出てくる『サバク』と『リデル』。
この作品が実際にアニメーションとして流れます。
その完成度が異常です。
今実際に放映されているアニメと比較しても、間違いなく上位に入るくらい、設定も、作画も、音楽も、声優も豪華です。
この2作が今期の覇権を争っていると言われたら納得です。
それどころか、年間の覇権争いだと言われても違和感ない出来栄えです!
それもそのはず、このアニメは本物のアニメ制作会社が手掛け、本物の声優さんたちが声を当てているからです。
後にパンフレットのインタビューを読んで衝撃を受けたのですが、どうやら本作の映画化が書籍化からだいぶ時間が立ってしまったのは、この作中アニメのせいらしいです。
『ハケンアニメ!』自体の映画化は、結構早々に決まったようなのですが、作中のアニメを第一線のアニメ制作会社にお願いするというのを譲らなかったようなのです。
しかし、今の御時世、人気のアニメい制作会社は数年先まで予定が詰まっています。
そのため、この作品の作中アニメを手掛けてもらうのに、7年かかったようです。
結果、公開がこの年になったということのようです。
このこだわりはすごいですよね!
実際にこのこだわりが正解であることは作中アニメを見ると一発でわかります。
クオリティが本当に桁違いです。
『リデル』は予告動画を見ただけで、めちゃくちゃ面白そう!と大興奮でした。
『サバク』はロボットものですが、そのロボットもとてつもなく格好良く、それどころか敵までかなり格好良いです。
この2作が実際にアニメになるのだとしたら、絶対に見ます!
この作中アニメに関して作者の辻村氏もかなりこだわったようです。
原作小説の中でも設定が出てくるのですが、辻村氏が意識したのが「漠然とすごいアニメという表現にはしない」ということだったようです。
覇権を争うアニメの描写として、ただ言葉で「すごいアニメ」と書いても全然凄さが伝わらない。
だから、誰もが面白そう!凄そう!と感じるアニメのプロットをしっかり示すことで、リアリティを出す、という点にこだわったみたいです。
いくらこだわったからといって、こんなに面白そうなアニメのプロットを作ってしまう辻村氏は、本当にハイレベルな作家さんだと思います。
そのこだわりには、ただただ感謝しかありません。
めちゃくちゃ感想が長くなってしまいました 笑
色々語りましたが、この『ハケンアニメ!』という作品は、リアルなアニメ制作の物語はもちろん、作中アニメの2つも楽しめる、1度で3度美味しい作品です。
そして私は本編でも、作中アニメでも泣きました。
大の男が号泣です。
それくらい感情の波がすごかったです。
本作は事前の宣伝のわりには動員数が少ないみたいです。
ですが、個人的にはもっと評価されて良い作品だと思います!
おそらく、同じタイミングで公開された『五等分の花嫁』に話題が持っていかれてしまっているのだと思います。
ですが、この作品は個人的は猛烈に応援したいです!
時間が取れれば、もう一度見に行きたいと思っているくらいです。
なので、この記事を見て少しでも興味を持った方はぜひ見に行ってください!
あ、途中の感想で書き忘れたのですが、本作はリアルの映像にCGを組み合わせる表現も頻繁に出てきます。
その演出も素晴らしく、細部まで拘って作られていることがわかります。
おそらくこの作品を手掛けた皆様は、アニメを、アニメ業界を、アニメに携わるすべての方を、相当リスペクトしているのだと思います。
それが伝わってくるくらい丁寧に作られています。
だから、
マジで見てください!_|\○_オネガイシャァァァァス
グッズ
ここからはちょっとグッズを紹介しますね。
パンフレット
まずは定番のパンフレットです。
今回は豪華版を購入しました。
豪華版はなぜか以下のような封筒に入っています。
中身を取り出すと、冊子が2冊入っています。
1冊は通常版と同様のパンフレット本体です。
パンフレット本体は、至って普通のパンフレットです。
1ページ開いたときの以下の構図はかなり好きです。
イントロダクションも見開きで掲載されています。
登場人物の相関図もわかりやすい形で描かれています。
主要な登場人物は1ページの大ボリュームでキャストインタビューが掲載されています。
劇中アニメのキャストしっかり掲載されています。
マジでそのままアニメにできる最強のキャストが揃っていますよね。
『サバク』の主人公が高野麻里佳さんで、『リデル』の主人公が高橋李依さんというのも激アツです。
同じ声優ユニットに属するお二人が並ぶというのは感慨深いです。
アニメ制作の流れを説明してるページも有り、業界に興味がある人にはとてもありがたいです。
更に、原作者・辻村深月氏のインタビューもあります。
正直、これでもか!と『ハケンアニメ!』の魅力を詰め込んだパンフレットです。
通常版は850円と比較的お安いのですが、それでこのボリュームはお得と言わざるをえないです。
そして、パンフレットと一緒に同封されているのが、『アニメゾン』という劇中でも出てきたアニメ雑誌です。
1冊なのですが、一方から読むと『サバク』、逆らか読むと『リデル』という構成になっています。
1冊で2度美味しい構成です。
こちらの中身は劇中の制作の設定ではなく、実際にこの2作を手掛けたアニメ制作会社の設定が掲載されている感じです。
『サバク』側は以下のような設定集になっています。
キャラクター原画からプロットまでしっかり作り込まれています。
特にロボの設定が細かい。
ここまで作り込む必要があったのかと思うくらいですが、だからこそあそこまで素晴らしくリアリティのある仕上がりなったのだと思います。
『リデル』側は以下のようになっています。
大枠は『サバク』と同じなのですが、結構書き方が違うなという印象を受けました。
ここは監督のやり方の違いなんですかね?
そんなことを考えながら見るだけでも楽しいですね!
各作品は1枚絵みたいなページもありました。
この絵も素晴らしいですね!
『サバク』の書き込みが細かい素晴らしい情景描写と対象的に、『リデル』はシンプルであるがゆえに未知を感じさせるデザインです。
競い合う作品だからこそ、テイストを真逆にしているような感じがしますね!
以上、パンフレットでした。
来場者特典
次に来場者特典をご紹介します。
漫画家・窪之内英策氏が描き下ろした瞳のイラストポストカードです。
かなり味のあるイラストですよね!
瞳が格好良いです。
背中で語っているのもポイントですね。
以上、来場者特典でした。
劇場の様子
ここではちょっとだけ劇場の様子をお伝えします。
私が行ったチネチッタ川崎の劇場では展示が行われていました。
右の2つはポスターですね。
一番左にあったのは、劇中シーンの名シーンぽい画像でした。
ショーケース内に飾られていたのは、劇中で出てきた小物です。
右に置かれた書き込みありの台本も興味深かったですが、面白かったのが左側にあるやつです。
ちょっと拡大します。
なんと、劇中に出てきたカップうどんと『サウンドバック』のフィギュアです。
劇中で使ったので作っていたとは思いますが、まさか展示されているとは思いませんでしたwww
『サウンドバック』のフィギュアはちょっと欲しい 笑
以上、劇場展示でした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
個人的にはとても素晴らしい作品だと思ったので、かなり気合い入れて記事にしてしまいました。
まさかここまでここまで語ることになるとは、自分でも思っていませんでした。
先日見に行った『五等分の花嫁』も良かったですが、事前知識無しで見るなら圧倒的に『ハケンアニメ!』をオススメします!
本当に、もっと評価されて良い作品です!
あと、主要な登場人物として初めて俳優デビューした声優の高野麻里佳さんですが、思ったより出番は少なかったなと思いました。
あと、偉そうな批評をすると、演技は喋り方が声優っぽいなと感じました。
声優なんだから当たり前っちゃ当たり前なのですが、なんというか通常の会話の発生が声優っぽさがにじみ出ていたなと感じました。
まぁ、もしかしたら実際の声優さんは普段からそんな感じで喋るのかもしれないので、些細な事かもしれませんね。
ただ、アフレコ部分の演技は素晴らしかったです。
監督の瞳から「違う」とダメ出しをされるのですが、そのダメっぽさがちゃんと表現できていました。
プロの声優としてダメっぽい演技をあえてするって、正解がわかっていないとできないと思うんですよね。
そういう意味で、声優として高野さんの演技は素晴らしかったです!
感想パートでもないのに語りすぎました。
しかし、それくらい語ることが尽きない作品だったのです!
察してくださいm(_ _)m
それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪
コメント