「声優ラジオのウラオモテ #05」感想 天才後輩声優とトラブル続きの現場にてんやわんや!?

ラノベ
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「追い抜かれるのならあなたがいいのよ……っ!」

どうも、タナシンです(・∀・)ノ

今回ご紹介するのはこちら!

声優ラジオのウラオモテ #05

表紙

つい先日4巻のレビューをした本作。
今回はその最新刊が発売されましたので、早速レビューしていきます!
今回も新キャラあり、トラブルありのお話になっています。

それではいってみましょう!

ちなみに、前巻の紹介は以下の記事で書いておりますので、よろしければお読み下さい。


追記

6巻の感想も書きました。
よろしければお読みください。


店舗特典

本巻ももちろん店舗特典があります。
店舗特典の詳細情報は公式HPを見ていただければと思います。

アクセスいただいたサイトはメンテナンス中です
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そして私は例のごとくメロンブックスで購入しましたので、SS付きブックカバーになります。

新キャラの高橋結衣のSSですね。
結衣の性格としては珍しい場面ですが、そう感じるのは本編を読んでからなので、このSSは本編読了後に読みましょう。

ゲーマーズアニメイトでは通販でもまだ特典がついてきますので、購入がまだの方は忘れずにチェックしてください。

前巻までのあらすじ

詳細は前巻のレビュー記事を読んでいただければと思いますが、ざっとご紹介します。

ファンから不仲説が浮上した由美子と千佳。
ラジオスタッフが気を利かせて、一泊二日の収録ロケを実行することにしました。
先輩声優のめくると花火を連れ立って決行されたロケのおかげもあり、由美子と千佳は本当はお互いを理解しているとリスナーに伝えることに成功します。

後日。
由美子と千佳が乙女と配信イベントを実施することになりました。
しかしそのイベントの際に乙女が倒れてしまいます。
乙女はしばらく休業することを指示されましたが、当の本人は仕事を休むことに恐怖を覚え、日々震えるようになります。
そんな精神が不安定になった乙女をどうにかするために、由美子たちは乙女の声優同期で、すでに引退してしまった声優・秋空紅葉に接触します。
そして、秋空紅葉の言葉により、乙女は自身を取り戻し、精神的に安定するようになりました。

以上が、前巻のおおよその内容です。

第5巻感想

第5巻あらすじ

第5巻公式あらすじ

夕陽とやすみ、共演再び! 天才後輩声優も登場で現場に闘志の火花散る!!

「またまた共演が決まりました~!」
「もう、運命の相手って感じ(笑)」
 夕陽とやすみ再びの共演で、闘志に燃えて臨んだ新作アニメの収録。けれど、カツカツの収録予定に、土壇場での台本変更と、現場は大混乱! さらに、メインヒロインに抜擢された天才後輩声優・結衣の存在が、ふたりの焦りに拍車をかけて――この現場、ほんとに大丈夫!?
「だけどわたしにはあなたがいる、半人前でも揃えば多少はマシになるわ」
 お仕事だから、大人にならなきゃってわかってる。でも一緒なら少しだけ、無茶しても良いかな? 割り切れないふたりの青春声優ストーリー・第5弾!

引用:https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322103000069.html

というわけで、今回は天才的な後輩とトラブル続きの作品が巻き起こすドタバタストーリーです。
毎度のごとく、声優のお仕事が垣間見える作品となっています!

第5巻のあらすじ詳細

ここからはガッツリ本編の内容を紹介していきます。
ネタバレOKの方のみ、以下のボタンから内容を開いてお読みください。

由美子と千佳は、先日のお礼と称して乙女から食事に誘われます。
同様に誘われた紅葉と4人で食事をすることになり、由美子はこの機会に今後の進路について乙女たちに相談することにします。
由美子はもともと、高校を卒業したら母親の仕事を手伝いつつ、声優業一本でやっていくつもりでいました。
しかし、紅葉の件も聞き、大学進学も検討したほうが良いのではと悩んでいるところでした。
大学に行かなかった乙女と紅葉は、口を揃えて大学に行ったほうが良いと答えます。
声優をやめた紅葉は就職するためにあったほうが良いと言い、乙女も声優ができなくなったときに自分になにもないことを自覚したためのアドバイスでした。

乙女たちの食事の後、由美子は一人でマネージャーの加賀崎と会います。
もちろんそれは、自身の今後についての相談でした。
加賀崎は『マネージャーとしては声優専業になってほしい』と伝えてきます。
しかし同時に、一個人としては『大学くらいには行っておいたほうが良い』とのことでした。
逆に、母親はどう思っているのか訪ねた加賀崎に由美子は答えます。
由美子の母は由美子自身が考えて決めるべきとの考えで、あえて親としての意見を言いませんでした。
良くも悪くも親の意見は影響が大きいからこそ、『何も言わない』というのが母親の考えでした。
その代わり、いろいろな人に相談をしなさいというのが、母のアドバイスでした。
加賀崎もその意見に同意し、由美子の答えを待つことにします。

加賀崎は由美子の相談ついでに仕事の話も持ってきます。
なんと、由美子が受けていたオーディションのうち、2つに受かったとの話でした。
1つ目の作品は『ティアラ☆スターズ』というアイドル作品でした。
アイドル作品ということもあり、ライブなどのイベントの準備されており、それだけで仕事量がドッと増える作品でした。
また、偶然にも千佳も同作に受かっており、作品内では由美子と同じユニットのメンバーとなるとのことでした。
2つ目の作品は『魔女見習いのマショナさん』という漫画原作の作品でした。
こちらは主人公の親友役となり、同じく主人公のもう一人の親友役が千佳とのことでした。
この作品は主人公役が2年目の新人ということと、毎週行われる生配信の特番があることから、回しとフォローも期待されての起用でした。
しかし、この『マショナさん』は現時点での資料が極端に少なく、由美子は不安を覚えました。

ある日のコーコーセーラジオ収録後
由美子は大野麻里に会います。
先輩声優である大野に由美子は進路について相談します。
大野の答えは「行かなくても良い」でした。
向こう3年くらいで声優をやめるのであれば就職に使えるだろうが、何年も後になって就職するときに有利になるとは思えないこと、デビューから5~8年目は力をつけるには大事な時期であることが理由でした。

その次のラジオ収録時
コーコーセーラジオはゲストをむかえていました。
高橋結衣
声優事務所・ブルークラウンの2年目声優。
千佳の後輩にあたる現役高校生声優であり、千佳のことが大好きでしょうがない女の子です。
また、『マショナさん』の主人公に抜擢された声優でもあります。
結衣は今後、由美子と千佳と3人で、生配信番組などをやっていくことになります。

『マショナさん』第1話アフレコ当日。
現場に赴いた由美子たちを待ち受けていたのは修羅場でした。
『マショナさん』は直前の急な変更が重なり、アフレコ当日に脚本が間に合っていないほどのギリギリ進行でした。
状況は深刻であるものの、由美子たちにできることは声を入れることだけであったため、アフレコを開始します。
そして、そこで由美子は衝撃を受けます
それは結衣の演技でした。
結衣の演技は千佳の演技にとても似ていて、それどころか上位互換のような演技でした。
それもそのはず。
結衣は『マショナさん』の役を、千佳を押しのけて獲得するだけの実力を備えた天才でした。
そのため、当の千佳の衝撃は由美子の比ではありませんでした。

収録後。
フラフラと家と違う方向に進む千佳に、由美子が付き添います。
若い子に取って代わられる。
それは芸能分野ではよくある話です。
しかし、まだデビューして間もない千佳が経験するには、あまりにも早すぎる事象でした。
このままでは、『幻影騎兵ファントム』の主人公も「ただタイミングが良かったからできた」だけになってしまうという恐怖が、千佳を襲っていました。
千佳はそのまま電車に揺られ、海に向かいます。
自ら海に飛び込み、ひとしきり叫び倒して頭を冷やすと、前を向く覚悟を決めます。
それに付き合った由美子も海でずぶ濡れになり、結局その日は近くのスーパー銭湯に泊まって帰ることになりました。

その後の『マショナさん』の収録時。
由美子は危機感を覚えていました。
収録でとにかくNGが出なくなります。
制作がギリギリということもあり、スタッフもNGを出しづらくなっている気持ちはわかるものの、声優として納得のいかない演技でOKをもらうことに違和感を覚えます。
そのため、逆に由美子たちからリテイクをお願いすることが増えました。
しかし、そんな由美子たちの頑張りも虚しく、アニメは酷評される一方でした。

そんなある日。
由美子は先輩声優の森香織に自身の進路と演技について相談をします。
森は進路については「由美子は大学に行ったほうが良い」とのことでした。
それは由美子が経験を生かして芝居をするタイプだからとのことでした。
そして、「脚本が上がってこない作品をどう準備して演じればよいか」という相談には、「キャラクターを自分の中にちゃんと持て」とアドバイスします。
自分の中に確固としたキャラを持てれば、脚本がないくらいでブレたりはしないというのが、森の考えでした。

更にその後の『マショナさん』収録時。
結衣に元気がないことに気が付きます。
由美子は、自分が千佳の役をとってしまったことに気がついて、結衣が元気をなくしていると思っていました。
しかし、本音を聞いたところ、そうではありませんでした。
結衣は、どんなにアフレコで頑張っても、誰も自分の声を聞いてくれていないという事実にショックを受けていました
『マショナさん』はアニメが酷評されていることもあり、周りの友人もすでに見てくれておらず、制作スタッフでさえ、どんな演技でもOKを出すという状態になっており、誰も自分のことをちゃんと聞いていない感じていました。
それが初主演を任された新人の結衣にとって、押しつぶされそうなくらい辛い事実でした。
そんな結衣を見て、由美子と千佳は森のアドバイスを思い出し、覚悟を決めました。

次の『マショナさん』収録時。
由美子と千佳は自身のキャラクターについて徹底的に深堀って収録に向かいます。
それこそ、脚本に口を出すほどに真剣に考えていました。
そして、どうしても変えられない演出に対しては、演技で抵抗することに決めます。
結衣に、そして制作スタッフに見せつけるように、由美子と千佳は自身の解釈を演技を通して見せつけます。
それは、「結衣の演技をしっかり聞いているぞ」と、由美子と千佳が伝えるための唯一の方法でした。
結果、二人に感化された結衣は調子を取り戻し、『マショナさん』は声優が評価される作品となりました。

以上が、本巻の内容です。

5巻感想

相変わらず心を揺さぶってくるぜ!

今回も2本仕立てのテーマでしたね。
「進路」「仕事への向き合い方」が大きなテーマだったかと思います。
両方含めて「声優という仕事にどう向き合うか」というテーマと言っても良いかもしれません。

「進路」という点では、声優をやられているあるいは目指している方であれば誰もが考える内容のように感じます。
「保険として専門学校や大学に進学しながら声優を目指す/続けるのか」、「声優一本でやっていく覚悟を決めるのか」。
声優に限らず、アイドルや俳優も同様な問題にあたると思います。
いつ旬がすぎるかわからない。
旬を過ぎた後でも安定した仕事を獲得できるような地位を確立できるかわからない。
こういった問題は抱えると思います。
最終的に由美子は大学進学を決めます。
ただこれは、就職とかを見越したときに行っておいたほうが良いという単純な理由ではなく、声優としての幅を広げ、自分の経験を増やすためにも必要という選択だったと思います。
これが絶対の正解ということはないと思いますが、由美子のようなタイプにはこういう選択があるという、一人の人物の人生の分岐点をしっかり描いた部分のように感じます。
実際に大学を出ている声優はたくさんいるので、どんな考えで大学に行かれたのかは気になりますね。
特に、大学に行った声優さんは「大学に入ってから声優になった方」と「声優になってから大学に入った方」の2パターンがあると思います。
前者は大学には入ってからやりたいことが決まったり、デビューが決まったりという方だと思いますが、後者は何かしらの考えがあって大学に行かれていると思います。
その考えは聞いてみたいなぁと思いました。
もしかしたらその一端が、本作中の大野や森の考えかもしれませんが……

「仕事への向き合い方」という点では、千佳が早すぎる試練に直面したような感じですね。
ただ、これに関してはどんな仕事においてもあり得ることだと思います。
すぐ下の後輩が自分の上位互換である。
悲しいですが、そんなことはいくらでもあります。
私もただの会社員ですが、そういう経験はあります。
まぁ、唯一無二の声というものを商売道具としている声優さんに比べたら、その深刻さは大したことないかもしれません。
ただ、処世術という点では近しいことは考えられると思います。
千佳や由美子のように真正面から受け止め、より相手より上にいくための努力をするというのは、正攻法の一つだと思います。
私は同様の経験のときは勝負することをやめました。
ただこれは「諦めた」とはちょっと違います。
同じ土俵に立つことをやめ、自分が勝てる土俵に移動したということです。
同じ土俵で勝てないなら、勝てる別の土俵で勝負すれば良いという考えですね。
しかしこれは勝負の幅を広げやすいビジネスマンならではの戦い方だと思っています。
声優はオーディションなど、同じ土俵で勝負をしなければならないパターンが多いので、中々土俵を変えるというのは難しいと思います。
最近はYou Tubeに進出したり、VTuberになってみたりと、別の土俵が少しずつできてきていると思いますが、まだまだ市場として成り立っているとは言い難いですね。

そういった点も考えると、声優という立場で自分より上位互換の後輩とどう向き合っていくかは難しい課題ですね。
加えて、声優という業界を考えたら面倒を見てあげたほうが良い後輩が、自分を脅かす存在に直結する。
これは本当に難しい問題です。
由美子と千佳は結果として強力なライバルを立ち直らせてしまったわけで、今後の自分たちの脅威を作ってしまいました。
この選択を将来後悔する可能性は、現実としてはあると思います。まぁラノベはフィクションなのでうまい具合に書いていただけると思いますが 笑

ただ、ちょっと今回の話で思ったことがあります。
「『ある声優の上位互換の声優』というのは本当にありえるのか?」という点です。
ある声優の上位互換ということは、もともとの声質が同じということだと思います。
声って結構人によって違うので、そもそもそんなことあるのかなぁという純粋な疑問があります。
もちろん似ている声質の声優さんというのはいらっしゃると思います。
ですが、総合してみたときに完全に上位互換というのはあり得るのか?と思ってしまいます。
また、上位互換だからといって需要があるとは限らないと思います。
もちろん、同じ役に対して二人がオーディションを受ければ上位互換が受かるかもしれませんが、そもそもそういった声質にニーズがないとどちらも売れないと思います。
逆にそういった声質のニーズが高かったら、スケジュールの都合とかで両方ともそれなりに売れるという可能性もあるのではないかと思います。
実際はどうなんでしょうか?業界の人に聞いてみたいですね。

あとちょっと思ったのが、上位互換だとしても、そもそも既存の声優さんと同じような声が出せるというのは声優のウリとして成り立つのか?」という疑問です。
芸能のことは詳しくないですが、既存の役者と同じことができます!と言われても、じゃぁ既存の役者さんにお願いするから君はいらないよとなる可能性もあると思います。
本作中ではわかりやすくするために、千佳の上位互換が結衣と表現されていますが、ここはちょっと引っかかりを覚える方もいると思うので、もうちょっと別の表現をしても良かったかなと思います。
じゃぁなんと言ったらよいかと聞かれると、私のボキャブラリーでは答えられないのですが……orz

そんなこんなで、今回もとてもいろいろ考えさせられる内容でした!
個人的には大満足な一冊です。
私の表現力がなく、この記事では伝えきれていないので、ぜひ興味を持った方は読んでください。
読んでいる途中、何回も鳥肌を立てる程度に、良い出来になっています。
特に、記事の冒頭で引用した「追い抜かれるのならあなたがいいのよ……っ!」の部分は感動モノです。

必読不可避です!

まとめ

いかがだったでしょうか?

感想長くなりすぎました。
ここまで書くつもりはなかった(´;ω;`)
でも、それくらいいろいろ考えさせられるのが本作なんです。
毎度毎度とても細かく取材され、かつ考えて作られていることがわかる作品です。
今後もこれくらい丁寧に作り続けていただきたいと切に願っております。

期待してるぜ!

それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪

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  1. […] 「声優ラジオのウラオモテ #05」感想 天才後輩声優とトラブル続きの現場にてんやわんや!?「追い抜かれるのならあなたがいいのよ……っ!」今回ご紹介するのはこちら!声優ラジオのウ […]