「どうか、助けてほしい」
どうも、タナシンです(・∀・)ノ
今回ご紹介するのはこちら!
声優ラジオのウラオモテ #03
発売から少し時間がかかってしまいまいしたが、当ブログでプッシュしているラノベ「声優ラジオのウラオモテ」の第3巻をレビューしていきたいと思います!
前巻の紹介は以下の記事で書いておりますので、よろしければお読み下さい。
追記
4巻の感想も書きました。
よろしければお読みください。
店舗特典
本巻ももちろん店舗特典があります。
店舗特典の詳細情報は公式HPを見ていただければと思います。
私は前巻同様メロンブックスで購入しましたので、SS付きブックカバーをゲットしました。
女子高校生らしい姿の二人ですね。
私のようなおっさんには眩しい光景です 笑
ちなみに例のごとく他のアニメショップでも特典が付いております。
ゲーマーズは書き下ろし4Pブックレット、アニメイトはA6サイズ4Pリーフレットです。
まだ手に入りそうですので、購入してない方はぜひゲットしてみてください!
前巻までのあらすじ
詳細は前巻のレビュー記事を読んでいただきたいのですが、お話として関連する部分が多いのでちょこっと話しておきます。
先輩声優である柚日咲めくるとリスナーの言葉から、素の自分たちを推し出していくことも一つの裏切りであると気がついた千佳と由美子。
それを反省し、周りに謝罪しました。
これにより、世間に対する自身の禊を済ませた矢先、千佳の母が現れ、千佳の声優業をやめさせるという宣言をします。
これを止めようと自身の母に相談する由美子。
その結果、『世間に対して日時指定して下校し、その間誰にも話しかけられずに帰宅できたら声優業を認める』というものでした。
2人のファンが安全な存在であることを示すための試練でした。
千佳と由美子にとって、絶望できな条件であったものの、良心的なファンとめくるの協力により、無事話しかけれずに下校することに成功し、声優業を続けることを認めてもらえることになりました。
以上がおおよその前巻の内容です。
第3巻感想
ここからはガッツリネタバレしますので、ネタバレが嫌な方はブラウザバック推奨です。
気をつけてください!
第3巻あらすじ
第3巻公式あらすじ
崖っぷち声優やすみ、躍進のラストチャンス! 青春声優エンタメ第3弾!!
「コーコーセーラジオ!」新コーナーも存外(?)の好評を博し、晴れておだやかな日常を取り戻した夕陽とやすみ。 目下やすみの悩みは――仕事が無い! そんな崖っぷちに舞い込んだのは、夕陽主演・神代アニメの宿敵役!? やっとつかんだ大役に意気込んだのも束の間・・・・・・
「あんた今、周りに迷惑だから」「すげーやりづらかったよ」
容赦なく突きつけられる、一流の壁。できない、苦しい、まだ足りない、それでも――「あんたにだけは」「あなたにだけは」「「負けられない!!」」
突き抜けたいふたりの声優ラジオ、熱い声援を受けて、まだまだON AIR!!
引用:https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322007000093.html
というわけで、今回は新キャラが活躍するというわけではなく、由美子が声優として奮闘するお話です。
アニメの収録現場が垣間見える内容ですね!
第3巻のあらすじ詳細
ここからはガッツリ本編の内容を紹介していきます。
ネタバレOKの方のみ、以下のボタンから内容を開いてお読みください。
平穏を取り戻した由美子。
これでやっと仕事に集中できると思いきや、肝心の仕事がない状態に追い込まれていました。
いくつかオーディションを受けるも、鳴かず飛ばずの状態です。
しかし、ある日のオーディションで追加で演技をするよう指示を受けます。
それは、今まで由美子が演じたことのない悪役でした。
結局そのオーディションには落ちてしまいますが、ある日、オーディションのオファーが来ます。
それが
『幻影騎兵ファントム』のシラユリ・メイ役
でした。
『幻影騎兵ファントム』は千佳が主人公を務める作品です。
そして、シラユリは千佳演じる主人公の宿敵役。とても重要な役でした。
由美子は選ばれた理由もわからないまま役に抜擢され、身に合わぬ大役を演じることになりました。
理由はわからずとも、大役を任されたことに気合十分な由美子。
しっかり準備をした上で初回のアフレコに向かいます。
しかし、現実はそんな由美子に対して残酷でした。
音響監督から何度もリテイクをもらい、演じれば演じるほどどう演じればよいかわからなくなる悪循環に入ります。
そしてその日、居残りしてまで続いた収録は、結局及第点の表現すらできないまま終えることになりました。
収録後、たまたま居合わせた千佳に対して、由美子は精一杯の強がりで、へらへらしていました。
—あんな姿を見せられて。そのうえ、言い訳まで聞かされるとは思わなかった
それは、千佳が由美子に向けた明確な失望でした。
由美子はこれに絶望しつつも、だからこそ強く誓います。
このままで終われるか……。終わってたまるか……ッ!
この日から由美子は、次の収録までにできる限りのことをやることに決めます。
幸い、次の収録は年明けということもあり、時間はあります。
マネージャーからは「演じすぎるな、憑依させろ」というアドバイスを貰い、監督や音響監督にも相談し、年明けの収録に備えます。
そして年明けの収録。
緊張を胸に現場に向かう由美子。
マイク前に立ち、この日に向けてやってきたすべてをぶつけます。
そして、何度かリテイクを重ねたものの、音響監督から「随分良くなったよ。安心した」という言葉をもらうまでになりました。
しかし、音響監督は重ねて言います。
「ここで満足しないでください。あなたは、もっとできるはずです。もう一段階、上にいけるはず。私達が求める演技は、そこにあります」
音響監督いわく、由美子の演技は及第点には来たものの、まだまだ満足行くものではないとのことでした。
しかし由美子もそれに怖気づくことはなく、前回の取り直しを願い出るほど、役に対して集中していました。
そんなお仕事とは別に、由美子と千佳はラジオ関連のイベントを迎えます。
これは、先輩声優である桜並木乙女とめくるとコラボしたリアルイベントでした。
イベント自体は乙女の人気もあり、大成功に終わります。
そして、そのイベントの打ち上げと称して、4人で焼き肉に行くことになります。
焼肉はつつがなく進み、翌日の仕事のために千佳が一足先に席を立ちます。
千佳が去った後、由美子は満を持して二人に相談します。
演技に詰まったときって、どうしてるか訊いてもいい?
それに対し、事前準備の心構えについて乙女からいくつか辛辣な意見ももらったものの、現時点でできる即効性のある案に煮詰まってきました。
そんな最中、めくるがいいます。
夕暮に意見は聞いた?それが一番いいと気がするけど
あらゆる面で由美子と距離の近い千佳にアドバイスを貰うのが一番良い。それがめくるの言い分でした。
しかし由美子にとって千佳はライバルであり絶対に負けたくない相手。
その千佳に対してアドバイスを求めるというのは非常に大きな屈辱であり、実行できる選択肢ではありませんでした。
自分なりにやれることはやりきって迎えた収録日。
この日は由美子演じるシラユリが登場する最後の回、つまり由美子の最後の収録日でした。
そして、この日の収録回は『幻影騎兵ファントム』全体の出来を左右する大事な回でした。
今までやってきたことをすべて出し切るつもりで演じる由美子。
しかし、そんな由美子に残酷な言葉が投げつけられます。
「……すみません。一旦、歌種さん抜きでお願いします」
それは、由美子が切り捨てられた瞬間でした。
その後、先輩声優の協力も得ながら居残り収録を続ける由美子。
次の仕事があるにも関わらず、時間ギリギリまで極力してくれるベテラン声優たち。
一人、また一人と、タイムアップを告げ、収録現場を後にします。
そして最終的にその日は、納得のいく収録をすることができず、翌日に持ち越すことになりました。
翌日に持ち越しになったものの、何をどうすればよいのかわからない由美子。
途方に暮れている由美子に声をかけてきたのは千佳でした。
しかし、気にかけてくれる千佳に対し、由美子は大きな葛藤を抱え、何も言えずにいました。
何も言わない由美子を背に、千佳はその場を立ち去ろうとします。
それに追いすがるように由美子は立ち上がります。
—夕暮夕陽の、力を貸してほしい
それは、由美子がプライドをかなぐり捨てて、千佳に助けを乞うた瞬間でした。
それに対して千佳はいいます。
……悔しい……
これは、演技のためにここまで真摯になれる由美子に対する、嫉妬にも似た感情でした。
アドバイスを乞われた千佳は由美子に言います。
『どうだ、これがわたしの演技だ、参ったか』くらいの胸を張る気持ちで、見せつけるようにやれって言ってるの
『ベテランに気圧されるな』、それが千佳からのアドバイスでした。
そして翌日。改めて由美子は千佳とともに収録現場に向かいます。
収録前、由美子は音響監督に声を掛けられます。
「あなたなら、120点の演技ができるかもしれない、と思ったからです」
それは、音響監督がこの大役に由美子を指名した理由でした。
力がある声優であれば90点で演じられるにも関わらず、その人達と比べて圧倒的に低いレベルの由美子を選んだ理由は、満点を超えてもらうためだったということでした。
由美子はその言葉にプレッシャーを感じながらも、収録ブースに入ります。
するとそこにベテラン声優の2人がやってきます。
彼女たちは、由美子の収録のためにわざわざ来てくれたのでした。
千佳を含め、尊敬する声優3人に囲まれ、由美子は持てる全てを出し切ります。
汗で全身がびしょびしょになるくらい全力で演じきります。
「あなたをシラユリ役に選んでよかったと、心から思いましたよ」
それが、音響監督の由美子に対する心からの評価でした。
由美子は自身の殻を一つ破り、声優として大役を成し遂げたのでした。
以上が、3巻の内容でした。
3巻感想
泣きシーンじゃないのに涙が止まらないよぅ(´;ω;`)
今回は本当に感動しました!
誰も死なないですし、悲劇があったわけではありません。
あるのは、青春真っ只中の女子高生が精一杯頑張っている姿だけです。
ですが、それが良い!
由美子が声優という仕事に真摯に向き合い、己の未熟さを受け入れ、しかし諦めずにあがき、それでも届かない領域へ至るためにプライドまで捨ててもがき続ける。
とても泥臭い話ですが、だからこそ応援したくなる、だからこそ由美子の凄さがよく分かる!そんなお話でした。
正直、身につまされるような話でもあると感じています。
学生、社会人問わず、自分のプライドを捨ててでも人を頼ったほうが良い場面があると思います。
その時、プライドを捨てられる人は決して投げやりや諦めの気持ちではなく、本当に大切なこと、優先すべきことをわかっている人だと思います。
由美子も、自分のプライド以上に作品のほうが大事であるを理解し、そのために千佳にアドバイスを求めたのだと思います。
本当に大事なことは作品、ひいてはそれを見てくれる視聴者やファンかもしれません。
きっと、本当に大切にしなきゃいけないことは自分の外側にあるのだと思います。
それを痛感させられるお話だったと思います。
このテーマを女子高校生声優というキャラクターのお話で書き上げた本巻はとても教訓となる作品だと思います。
そういったメインのテーマもさることながら、今回はクラスメイトとの絡みも結構あります。
あらすじでは端折りましたが、クリスマス会とかやっていますからね。
そのような日常パートとのバランスも良く出来ていると思います。
特に由美子の親友・若菜がいい子で最高です。
本作は脇役もなかなか輝いていて、どのキャラを見ても魅力に溢れています。
先輩声優である乙女は、結構天然系のすごい先輩という感じでしたが、本巻では声優業に対するストイックさが垣間見えます。
由美子を甘やかす良きお姉ちゃん役という立ち位置かと思いきや、意外と一番厳しい人かもしれません。
今後活躍しそうなので、乙女にも着目していきたいと思います!
以上、感想でした!
まとめ
いかがだったでしょうか?
本作は本当に作者の力垣間見える作品だと思っています。
声優をテーマにしたラノベって、実はいくつかあります。
ただ私が知っている範囲ですと、素人の男子高校生と実力のある女子高生アイドル声優が織りなすラブコメが多いです。
もちろんそのような作品も好きです。
特に、「彼女はつっこまれるのが好き!」はおすすめです。
ですが、このような作品は素人が業界人に混じってなんやかんやうまくいってしまう感じのお話にならざるを得ないので、面白いですが現実味はありません。
一方本作は、もちろん現実と比べるとご都合主義満載ですが、結構現実に有り得そうな話だと思います(ただし、2巻の最後はちょっとありえないですが……)。
この「本当にありそう」というテーマで、エンターテイメント作品に仕立て上げられているところが、この作者のすごいところだと思っています。
なので、私は引き続き本作を応援していきたいと思います!
期待しているぜ、二月公氏!
それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪
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