「日南葵が、弱キャラだからだよ」
どうも、タナシンです(・∀・)ノ
本日ご紹介するのはこちら
弱キャラ友崎くんLv.11
前巻の発売が昨年2022年1月。
つまり、2年ぶりの続編です!
いくらなんでも待たせすぎだろ!
アニメ2期に合わせたって言ったら聞こえは良いですが、1期と2期の間に1冊しか新刊出てないってどういうことやねん。
まぁ、いろいろな企画が動いている作品なので、忙しかったのでしょう。
今回だけは大目に見ます。今回だけな!
そんな間が空いた本作ですが、前巻ではかなり気になるところで終わっていました。
その続きが読めるとなっては悠長にしていられません。
早速読みましたので、内容をお伝えしていきます。
それではいってみましょう!
ちなみに、前巻の感想は以下の記事で記載しておりますので、よろしければお読みください。
店舗特典
まず本編に入る前に、まずは例のごとく店舗特典についてお伝えしようと思います。
今回も例のごとく、いくつかの店舗では特典が付きました。
私はその中でも、いつもどおりメロンブックスで購入しました。
普段は配達が遅いメロンブックスですが、今回は発売日当日の昼に来るというファインプレーでした。
さうがに通販に慣れてきたんですかね?
ありがたいことです。
そんなメロンブックスの特典はブックカバーです。
ちょっと懐かしい光景のような絵面ですね。
みみみがメインのカバーとSSになっています。
また、今回メロンブックスには有償特典のタペストリーもあります。
それがこちら
ブックカバーと同じ絵柄のタペストリーです。
みみみファンにはありがたい構図ですね。
また、店舗特典はゲーマーズやアニメイトでも付いてくるようです。
まだゲットしていない人は、検討してみてくださいね!
前巻までのあらすじ
詳細はぜひ10巻のレビュー記事をお読みいただきたいのですが、かなり前なのでざっくり振り返りをしていきたいと思います。
葵の誕生日をパーティーを企画することにした文也たち。
ヨンテンドーワールドがあるUSJに行くことに決め、当日の夜はサプライズバースデーパーティーをすることに決めました。
文也たちは3チームに分かれて各々プレゼントを準備することに決め、文也たちのチームはオリジナルのゲームを作成し、プレゼントすることに決めました。
葵の誕生日当日。
ヨンテンドーワールドを楽しんだ文也たち。
途中、葵と二人きりで話す機会を得た文也は葵の過去を聞きます。
葵は、いじめに立ち向かって亡くなった妹が、事故死だったのか自殺だったのか分からず、苦しんでいるようでした。
文也はそれが葵の抱えるものの全てではないと思いつつも、夜の誕生日パーティーの時間になります。
文也たちが用意したゲームは葵の好みにしっかり合い、非常に盛り上がりました。
しかし、最後に優鈴たちが用意したビデオレターに母親と妹の姿が映ると、葵は動転し始めました。
以上が、ざっくり10巻の内容でした。
今見ても、この状態で2年待たされた読者の身になって欲しいですね 笑
10巻の内容と感想
公式あらすじ
公式のあらすじはネタバレではないと思いますので、そのまま載せますね。
日南葵、その根源。
思いがけない形で終わってしまった大阪旅行。俺たちは、日南とほとんど話せないまま3年生を迎えた。
日南はひとり特進クラスへ。だが、そこでも日南は驚きの姿を見せ――。覚悟を決めて日南の家を訪れた俺は、意外な人物に出会うことになる。
「あの……もしかして」「は、はい」「……葵さんの妹さん、ですよね?」
……思えば俺は、あいつのことをなにも知らなかったのかもしれない。
仮面の下に隠された本当の日南葵を、俺は掬い上げることができるのだろうか――。人生攻略ラブコメ第11弾、いよいよ最終ステージ!!
引用:https://www.shogakukan.co.jp/books/09453114
詳細内容
ここからは内容の詳細を語ります。ネタバレですので、それでも良い方のみ、以下をクリックして展開して呼んでくださいm(_ _)m
――やめてっ!
ビデオレターから母親の声が流れる中、そう叫んだ葵。
周囲に敵意を振りまきながら、パーティー会場を後にします。
葵の後を追う文也。
星空の下、葵と二人、話をします。
葵は、今まで自分の正しさの証明のためにやってきたことに対して向けられる笑顔を素直に受け取れず、今までの自分のあり方が正しかったのかを悩みます。
文也はその葵の生き方を歪なものだと断じながらも、「それでいい」と断言します。
しかし、葵は問います。
正しいと言える――理由は、なに?
周りからの感謝や笑顔は、「正しいと信じられているだけのことで、本当の意味で正しいと証明することはできない」というのが葵の主張でした。
これに対して文也は説得力のある回答を返せませんでした。
そして葵は言います。
あなたは理由がないものを、信じられるのね。
私は、だめだったの。
私は、弱キャラだから
これに対して文也は何も言えませんでした。
二週間後。
新年度を迎えた文也たち。
進学に向けて文系・理系・特進の3つのクラスに各々分かれていきます。
文也は文系クラスで、彼女の風香、孝弘、みみみが同じクラスでした。
唯一、特進クラスに属する葵は、登校していませんでした。
葵が登校していないせいで、生徒会が困っているという話題もありましたが、葵に対するスタンスは文也たちの中でも決まらず、具体的なアクションは検討されませんでした。
そんな中ではあるものの、朗報もありました。
風香がWebにあげていた小説が編集者の目に止まり、連絡をもらったというものでした。
しかし、物語の主要キャラクターのモチーフとなっている葵のことがわからなくなってしまった風香は、そのまま出版に動くことに躊躇いがあるようでした。
数日後。
文也は行動に出ます。
葵の家の前を監視し、葵の妹・遥に接触します。
はじめは警戒していた遥も、姉の知り合いであることを理解すると、徐々に葵のことを話してくれます。
結果として、葵が今のようなパーフェクトヒロインを演じるようになったのは、遥の見本となるためであることがわかってきました。
翌週の日曜日。
文也は風香と孝弘を連れ立って遥と会います。
会うことでなにかの化学変化が起きればという思惑で風香と遥を会わせた文也。
その目論見は見事的中しました。
遥から家での葵の姿を聞いた風香は、葵に対して
――神様を失ってしまった女の子、だと思います
と、感想を漏らします。
その言葉を聞いた遥は動揺し、「どうして、わかるの?」と溢し、涙を流します。
そのような状況もあり、この日は解散となりました。
しかし、今回のことで風香は2つのことに気が付きます。
1つは「言葉が人を傷つけることもある」こと。
そしてもう1つは「自分はどうして小説を書くのか、その理由がわからない」ということでした。
その日の夜。
文也は一人公園で悩んでいました。
そこにたまたまみみみがやってきます。
その日あったことをみみみに打ち明けると、みみみは遥の気持ちがわかると言ってきます。
それはみみみも遥と同様に、葵に憧れを持ち続けているからだと言います。
目標としている存在の不幸な姿を見ると、自分が目指している先が不幸であることになってしまわないかということに不安を覚えているとのことでした。
それは文也にはない考えでした。
また、みみみはそんな憧れで日々助けてもらっている葵をなんとか助けたいと言い出します。
そのためにまずは生徒会の手伝いをすると決め、文也に協力を求めます。
文也はそれに応じることにしました。
後日。
みみみと文也は生徒会に協力したい旨を伝え、直近のイベントである進路研究会の企画を手伝うことになります。
今まで葵の伝手で講演者を探していたこともあり、そのアポイントメントが難航しているとのことでした。
これに対して文也は自身の知り合いであるプロゲーマー・足軽に講演依頼をすることを画策します。
数日後の日曜日。
文也・みみみ・風香の3人は、足軽が参加するゲーム大会に赴きます。
そこで見事足軽の講演協力を取り付けます。
しかしその対価として、『文也が大会に参加すること』と『みみみが実況解説すること』を求められます。
それくらいならと文也とみみみは引き受けます。
文也はオンラインで1位を維持し続けているプレイヤーですが、オフラインの大会は初ということもあり、ベスト4で終わりました。
自身の不甲斐なさを痛感していた文也でしたが、自分のファンだという中学生と話し、足軽からもらった「人を惹き付けるのに必要なのは、強さよりも、その人が持っているストーリーなんだ」という言葉に心を打たれました。
ゲーム大会の帰り道。
文也は遥から連絡をもらい、風香とみみみと別れて一人、遥と会います。
そこで遥の姉、葵のもう一人の妹である渚の事故について話を聞き始めようとしたときでした。
その場に葵が現れました。
葵は、遥が誰かに絡まれていると勘違いして声を掛けたようでしたが、文也にとっては渡りに船でした。
そのため一旦遥を帰し、文也は葵と二人きりで話を始めます。
葵は、渚の死をきっかけに気づいた自身を蝕む呪いについて話し、自分を信じられなくなったことを吐露します。
しかしそれに対して文也は力強く言います。
俺を信じろ。
お前が唯一勝てなかった、強キャラの友崎文也のことを信じろ
その言葉を聞いた葵は、文也を自身の部屋に招きます。
そして、アタファミでの対戦を文也に申し込みます。
3本先取で始めた対戦。
文也は最近持ちキャラにしたジャックを使います。
それに対する葵は、今まで使用してきたファウンドではなく、ボックスマンというキャラを使います。
はじめの2戦は危なげなく文也が勝ったものの、3戦目から様子が変わります。
戦術として決して褒められるものではないプレイングで少しずつ葵が文也を追い詰めます。
同時に、葵は語ります。
nanashiのプレイはかっこよくて、理想的で、輝いてて。
だから気がついたらあなたみたいになりたいって思ってた。
だけどね。
・・・私が真似するのには、向いてなかったの
そして迎える最後の瞬間。
だから私は家にこもっている間、輝きを捨てた。
理想を捨てた。
ただ勝つことに専念した。
そうすれば――
勝つことだけは、できるんだ
それは、葵の勝利宣言でした。
そしてそれは、葵が文也を信じる理由がなくなった瞬間でした。
人生は――クソゲーよ
それが葵の結論でした。
翌日の月曜日。
文也は学校を休みました。
やるせなさを感じた文也は、無気力に一日を過ごします。
心配して連絡をくれた風香に対してもぞんざいな態度を取る始末でした。
翌火曜日。
文也は引き続き学校を休んでいました。
するとスマホにある通知が来ます。
それは、Web小説投稿サイトからの更新連絡でした。
文也にその連絡が届くのは、風香の作品が更新されたときだけでした。
文也はこのタイミングで小説が更新されたことに意味を感じ、かじりつくように物語を読み進めます。
そこには、文也がみみみと一緒に生徒会選挙で葵と戦ったときをモチーフにした物語が展開されていました。
しかも、葵の視点で。
その物語は文也に新しい気づきを与えました。
そして、その物語に文也の心は再度動き始めました。
その熱が冷めやまぬまま、文也は風香に連絡を取ります。
菊池さんの、力を借りたい
それは、葵を救い出すために物語の力を借りたいということでした。
これに対して風香は言います。
今回は、文也くんが、書く理由をくれるんですよね?
大切な人を救いたいっていう、とっても素敵な理由を
こうして、文也と風香は打倒『魔王・日南葵』を目指して、進むことを決めました。
以上が、11巻の内容です。
感想
グレンラガンのことかーーーーーーーーー!
と思ったのは私だけではないはず 笑
世代でない人はごめんなさいm(_ _)m
今巻は葵の過去と心の根っこに迫る話でした。
なぜ、家族からのビデオレターに過剰に反応したのか、妹の死と関連があるのか、それに対して文也ができることはあるのか……
それらを探す物語になっていました。
本編を読んでいない人のために、ここの感想ではあまり大きなネタバレ的なことは言いませんが、結論から言うと葵の心の闇は家庭環境からくるものでした。
正直、そこまで深い闇に対して、他人が出来ることは少ないでしょう。
なにせ、10年以上身近にあった環境によって染み付いた凝りを、出会って1年ちょっとの人間の言葉でどうにかできるかというと、それは難しいものです。
実際に今回のお話では、文也は言葉での説得に失敗しています。
それどころか、唯一の取り柄であるアタファミを引き合いに出して失敗する始末でした。
某アニメのアニキ張りに言い放った決め台詞も、完全に形無しです。
しかし、そんな絶望の淵に立たされた文也を救ったのは言葉の繋がりである物語でした。
彼女である風香の物語に救われ、それを元に葵も救おうと再起します。
この流れ、美しくないですか?
個人的な解釈としては、『言葉で解決に失敗した主人公。じゃぁそのやり方が間違っていたかというとそうではなく、足りなかったからだ』という流れになっていると思っています。
その足りなかったものが何かというと、物語だと。
この必要な武器を模索していく流れが、RPGでラスボスに繰り返し挑む懐かしさを与えてくれると同時に、相手に伝えるために本当に必要なものが何かを示しているように思いました。
この構図を図ってしたのか、たまたまそうなったのかは知りませんが、個人的には非常に秀逸な構成だと思いました。
2年待った甲斐はあったなと思います。
もうちょっと早く出してほしいですけど 笑
何にしても、いよいよ物語は佳境です。
主人公の文也とヒロインの風香が協力して、魔王の葵に挑みます。
二人は無事魔王を倒せるのか、それとも魔王の孤独エンドか……
まぁ順当に行けば主人公が勝つでしょう。
主人公が文也なら……ですけど 笑
個人的な予想ですが、この後の流れがどうなっても文也と葵がくっつくようなどんでん返しはないんじゃないかなと思っています。
お互いに特別な存在と思い合っている文也と葵ですが、その関係のままでいくのではないかと思います。
くっつく可能性があるとしたら、風香が自ら身を引く場合とかでしょうか。
ドタバタラブコメ的なエンドを迎えるのであれば、本気になった葵が風香から奪う宣言をして、それに便乗したみみみも文也争奪戦に参戦し、ハーレムエンドするでも良いですが 笑
さすがにそんな流れは屋久ユウキ氏は描かないでしょう……描かないよね?
まぁいろいろ書きましたが、物語の流れというのは個人的にはそんなに大きな意外性を出さなくても良いかなと思っています。
いや、もちろんこちらが予想していなかったような物語になることは喜ばしいことです。
ですが、本作の良いところは、たとえ予想できる流れだとしても、その物語の描き方や登場人物の心情の表現に心動かされる点だと思います。
これについてはこの記事のようなまとめや感想を読んでも実感できないことだと思います。
ですので、気になる方は本当に原作を読んだほうが良いです。
絶賛放映中のアニメでも良いですが、音や景色がない中で紡がれる言葉から受ける印象というのもあります。
ぜひ、そのあたりの違いも楽しんでいただけると良いのではないかと思います。
以上、感想でした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回もかなり楽しませていただきました。
刊行までに時間かかりすでしたが 笑
感想ではあえて書かなかったのですが、今回のお話のキーワードである『物語』について、かなり思うところがあります。
特に、作中の人物である足軽のセリフ「人を惹き付けるのに必要なのはストーリーなんだ」という点です。(ちょっとセリフ端折ってます)
というのも、仕事をしていると人に伝える際のストーリーの重要性を痛感します。
私は仕事柄資料を作成して相手に話すことが多いですが、この資料がただの情報の羅列だとぶっちゃけつまらなくて頭に入ってきません。
ですが、これが1つの資料を通してストーリーになっていると受け取りやすさが段違いです。
私は自身の経験上、資料をストーリーのある構成にすることを意識しているのですが、結構これができていない方は多いと思います。
「内容自体は良いはずなのに、伝え方が悪くて伝わらず、話しがうまく進まない」という経験のある方は、意識してみていただくとうまくいくと思います。
もちろん、話し方などのテクニックもありますが……
と、ちょっと真面目な話をしてしまいました。
何が言いたかったかというと、本作は学生視点の青春物の作品ですが、社会人の方にとっても得るものが多い作品ですよということが言いたかったわけです(マルクオサマッタ
ですので、ぜひそんな視点でも読んでみてください!
あと、今回のあとがきで書かれていましたが、続刊は近いうちに発売するようです。
どうやら、ページ数が膨大になってしまった本巻を分割することにして発売したことが理由のようです。
とか言いつつ、書き直しとかして時間かけそうなのが屋久ユウキ氏ですが、さすがに2年以上空けることはないと思いますので、期待して待ちましょう!
早くしろよ、屋久ユウキ!
そして、そろそろタイトルと内容が合わなくなってきているので、次巻あたりからは『強キャラ友崎くん』か『弱キャラ日南ちゃん』になるのではないかと思っていますが、どうですかね? 笑
それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪
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