「わたしは……、なれなかった……、『声優を活かす声優』には……っ!」
どうも、タナシンです(・∀・)ノ
今回ご紹介するのはこちら!
声優ラジオのウラオモテ #07
毎度紹介しているライトノベル『声優ラジオのウラオモテ』。
その最新刊が発売されましたので、ご紹介していきます!
今回は主要キャラの一人『柚日咲めくる』視点のお話です。
前巻のお話の裏側が語られる物語となっています。
それではいってみましょう!
ちなみに、前巻の紹介は以下の記事で書いておりますので、よろしければお読み下さい。
追記
8巻の感想も書きました。
よろしければお読みください。
店舗特典
本巻ももちろん店舗特典があります。
店舗特典の詳細情報は公式HPを見ていただければと思います。
そして私は例のごとくメロンブックスで購入しましたので、SS付きブックカバーになります。
めくると花火視点のお話ですね。
千佳がデビューした当時の二人のやり取りとなっています。
千佳に対する印象が語られているのが新鮮です。
ゲーマーズやアニメイトでも特典が付きますので、オススメです。
まだ購入されていない人は購入してみてくださいね!
前巻までのあらすじ
詳細は前巻のレビュー記事を読んでいただければと思いますが、ざっとご紹介します。
『ティアラ☆スターズ』で共演することが決まった由美子と千佳は、アイドルユニットを組んでライブをすることが決まります。
由美子と千佳は、各々『ミラク』『アルタイル』というチームのリーダーに任命されます。
由美子がリーダーを務める『ミラク』は、芸歴最長でありながら最年少のミントや、由美子を毛嫌いしている飾莉を中心に問題が耐えませんでした。
それもあって、千佳擁する『アルタイル』とのクオリティ差に焦りを覚えます。
なんとかチームをまとめようと奮闘する由美子の活躍と、それを支えるめくるの動きもあり、『ミラク』はチームとして持ち直します。
しかしそんなさなか、自主練習中にミントが怪我をしてしまいます。
リーダーとして至らなかったことを飾莉からも責められ、由美子は落ち込んでしまいます。
そんな気分で迎えた修学旅行中。
由美子は千佳に現状を吐露します。
そこでもらった千佳からの喝で由美子は奮い立ち、もう一度メンバーと話し合うことに成功します。
結果、由美子たちは無事ライブ成功させました。
以上が、前巻のおおよその内容です。
第7巻感想
第7巻あらすじ
第7巻公式あらすじ
これは声優ファンの少女・杏奈が、声優・柚日咲めくるを認めるまでの物語。
これは声優ファンの少女、藤井杏奈が、声優「柚日咲めくる」を認めるまでの物語。
引用:https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322202000055.html
「自分より、ほかの声優の方が良い」ファン心が邪魔をして、オーディションで実力を発揮できないめくる。役を取りあわなくて良いラジオを主戦場にしてきたが、声優としての限界が見え始める。
「いい加減、覚悟しないとダメなんだよ」
支え合ってきた相棒、花火の言葉にも動かされためくるは「声優ファン」を卒業するが、目からは輝きが失われて――。
厳しくて口が悪くて、でも本当は誰より優しい。可愛い先輩のために夕陽とやすみも一肌脱ぎます! 隠しきれないめくるの青春声優ストーリー、NOW ON AIR!
というわけで、今回はめくるが主人公のお話です。
藤井杏奈という一人の少女が、いかにして声優『柚日咲めくる』になったのか。
そしてそのめくるが何を思い、どう行動するのか。
そんな内面を掘り下げるお話です!
第7巻のあらすじ詳細
ここからはガッツリ本編の内容を紹介していきます。
ネタバレOKの方のみ、以下のボタンから内容を開いてお読みください。
藤井杏奈は中学生時代、クラスメイトに薦められたアニメをきっかけに声優に憧れるようになります。
杏奈は両親を説得し、養成所に通ってダメなら諦めるという条件で、片道2時間かけて養成所に通うことを決めます。
杏奈は養成所で早速、中島美咲と仲良くなります。
杏奈と美咲はともに切磋琢磨し、実力をつけていきます。
結果、試験を乗り越え、声優事務所・ブルークラウンに所属することになります。
杏奈と美咲は各々『柚日咲めくる』と『夜祭花火』という芸名で声優デビューすることになりました。
事務所の力もあり、デビューは早々に決まります。
といっても、名前もない端役でした。
しかしその後はオーディションにもなかなか受からず、大きな仕事は取れずにいました。
そんなめくるにある日、指名が来ました。
指名と行っても、オーディションに出ないかという知らせでした。
たとえオーディションであっても指名されることは珍しく、めくるも気合を入れて臨みました。
しかしオーディション当日。
自分と同じ役を受ける憧れの声優・松浦唯奈と出くわします。
唯奈のことをよく知る杏奈は、めくるが唯奈以上にこの役に相応しいと思うことができず、オーディションで力を発揮することが出来ませんでした。
めくるは、役を勝ち取りたいという欲が人一倍薄かったのでした。
そんな自分の欠陥に気づいためくるに、思わぬチャンスがやってきます。
たまたま端役で声を当てたソシャゲの生配信番組に、代打で出演することになったのです。
そしてめくるはこの番組で天啓を得ます。
『声優を活かす声優になる』
それが、声優を愛している杏奈が導き出した、めくるのあり方でした。
時は進み、現在。
声優として自立を始めためくるに、『ティアラ☆スターズ』の仕事が舞い込んできます。
めくるは本当に自分で良いのかという葛藤を持ちながらも、一緒に選ばれた花火と頑張ることを誓います。
また、各々別のチームになったことから、めくるは由美子を、花火は千佳を支えることを覚悟します。
由美子を裏で支えながらもティアラの活動をしていためくるは、ある日マネージャーの成瀬から呼び出しを受けます。
柚日咲さんは、あまりオーディションが好きではありませんか?
この言葉は、めくるも覚悟していた言葉でした。
成瀬はめくるの仕事の姿勢を否定はしませんでした。
振られた仕事を全力で取り組む。
配信番組の安定感。
出演数。
どれもこれもケチを付けるものではありませんでした。
唯一つを除いて。
オーディションに必死になれないことを、良しとする理由にはなりません
核心を突く一言でした。
しかしそれは、成瀬からめくるへの期待でもありました。
自身のことも考えなければならない状況のめくるの前に、またしても問題が発生します。
『ミラク』内で飾莉の不満が爆発し、内部分裂が起きます。
飾莉をなんとかしようと由美子も動きますが、飾莉に嫌われている由美子ではうまくいくはずもなく、めくるが代わりに飾莉をなだめます。
すったもんだありつつも、由美子の強さもあり、チームは立て直ります。
しかし、一難去ってまた一難。
めくるに悲しい知らせが舞い込んできます。
『ジュードルらじお』の終了
めくるが出演したアニメ『十人のアイドル』から始まったラジオ。
それが『ジュードルらじお』でした。
アニメが終了したにも関わらず、めくるの手腕でラジオだけは生き残り、200回を超える長寿番組でした。
そしてそのラジオが、いよいよもって、次回の改編時に終了になることが決まったという知らせでした。
めくるにとって『ジュードルらじお』は自分のやりたいことが実現できているラジオでした。
「声優を活かす声優になる」
そう決めためくるが、他の声優を活かすことに全力を尽くし、今まで続けてきた番組でした。
その喪失感は計り知れませんでした。
悲しい知らせが来た中でも、仕事は変わらず動き出します。
最初のライブを終えた『ティアラ☆スターズ』は、次のライブに向けて動き出します。
めくるは今度は花火と同じチーム『アルフェッカ』として出演することになりました。
そしてこのチームには、業界としては同期に当たるものの、圧倒的な人気を誇る声優・桜並木乙女もいました。
後日。
めくるは『ジュードルらじお』の収録に赴きます。
そこには、終了が決まったこともあり、最後の共演となる声優・辻優香と会います。
優香はデビュー7年目であるものの、ほとんど仕事がない状態でした。
それもあり、この仕事を最後に田舎へ帰るとのことでした。
その言葉は、めくるが『声優を活かす声優』になれなかった事実を突きつけるのに十分でした。
絶望にくれているめくるは、たまたま乙女に出会います。
誰かといたいと思っていためくるは、普段なら絶対に受けない飲みの誘いを受け、乙女とともに飲み屋に向かいます。
そこでめくるは乙女に「なぜそんなに頑張れるのか」を聞きます。
それに対して乙女は
日本で一番の声優になりたくて……
いろんな人から受け取った思いに応えたい。
そのために日本で一番になる。
それが乙女が目指すと決めた目標でした。
乙女と話しためくるは、その翌日からプロに徹することを決めます。
声優ファンである杏奈という存在を消し、プロの声優として振る舞うため、由美子たちと接するときも努めてクールにしていました。
しかし、それに異を唱えたのは、親友の花火でした。
「憧れを捨てるのは違う!」と断じる花火は、由美子と千佳の力を借りて、めくるから声優ファンの杏奈を引き出します。
『憧れと負けたくない、は共存する』
花火たちの行動でそれを気付かされためくるは、全部背負っていく覚悟を決めます。
そして、『アルフェッカ』のメンバーとして由美子と千佳に宣戦布告し、ライブを迎えるのでした。
以上が、本巻の内容です。
7巻感想
深い……
今回のお話は完全にめくる視点のお話です。
前巻の舞台裏と、次のお話につながる裏側の話です。
正直な話をすると、今回のお話は7巻というより6.5巻くらいの扱いが良いのではないかと思います。
主人公でいある由美子はほとんど出てきませんし、前巻の裏側としての話がほとんどだったからです。
なので、まだ読まれていな方は、一種のサイドストーリーだと思って読むことをオススメします。
というわけで、ここではサイドストーリー的なお話という点で、感想を言っていきたいと思います。
まず純粋に、6巻での由美子の動きに対して、めくるがどう思って行動し、そこで何があって、結果どうなったかがわかったというのは、表側しか見えなかった前巻の補完となっていたのでとても良かったと思います。
めくる、ちゃんと先輩なんやなって感じて、ほっこりしました。
1点、気になるとしたら、飾莉に「由美子のこと嫌いだよね」と言われたときの切り返しですかね。
作中ではめくるが由美子を嫌っていることは、肯定も否定もされませんでした。
個人的には、めくるは由美子を嫌っているどころか、殊更好きだと思っています。
だからこそ、由美子たちがしたことを許さないようにしてるんだと思います。
一人の声優として認めていて、好きだからこそ許さない。
それがめくるの由美子へのスタンスだと思っています。
なので、せめて嫌いと聞かれた部分については明確に否定してほしかったなぁと思いつつ、飾莉の性格を考えるとそうは言えないんだろうなぁと思ったので、せめて独白で類する言葉が出てこないかなぁと思ったのですが、明言はされませんでしたね……
ただ、ここは作者の意図もありそうなので、触れずに起きます。
あと、今回はめくるが声優になるまでが語られました。
ただの学生が声優になるまでの道のりとしてはありがちな感じはしましたが、きっとこれはかなり順調にいったケースでしょう。
もちろん、今活躍されている声優さんでは同じようなルートを辿った方もいるかと思います。
しかし、少し違ったのは『声優を活かす声優になる』という点ですね。
これが本作のテーマの一つだったと思います。
他人を光らせるための存在として、自分の存在意義を見出す。
声優という職業では、あまり良い考え方ではないのかもしれませんが、世の中には他人を活かすための職業というのはたくさんあります。
俳優業でも、いわゆる名バイプレイヤーといわれる方たちは、作品やメインキャラクターを活かすための存在としての専門家だと思います。
かくいう私も、自分が主役になるような仕事はしていません。
誰かを支え、その人達を活かすにはどうしたら良いかを考えるお仕事です。
なので、めくるの考えにはとても共感できました。
ですが、めくるはそこから一皮むけて、自分が矢面に立つことを選びました。
本作では、おそらくそれが声優・柚日咲めくるの正解として語られたのだと思います。
ただ、それは必ずしも万人の正解ではないと私は思います。
自分のことも含めてですが、自分の人生としてどういう選択を取っていくのが良いのか、それを深く考えさせられた物語でした。
そんなこともあり、感想冒頭の「深い」という言葉が浮かびました。
皆さんはどう考えましたか?
是非コメントで教えて下さいね!
以上、感想でした!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回も考えさせられるお話でしたね!
とはいえ、前巻から半年経っての刊行です。
間が長い……orz
しかも、物語としては全然進んでいなかったりします。
いや、描写としては次のライブの描写があったので、進んでいる感じはありますが、由美子サイドの話が一切語られていないので、次巻はそこから語られると思います。
そういった意味で、今回は物語がほとんど進んでいないんですよね……
いや、読み物としてのクオリティは相変わらず良いので、問題ないんですけどね!
要は何が言いたいかというと、
次巻早う!(´;ω;`)
ということです。
待ってるからな、二月公!
それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪
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