「スパイ教室01」感想 ファンタジア文庫が送る新ジャンル 乙女たちが挑む不可能任務に手に汗握る作品!

ラノベ
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ところでーーーー、このお遊びには、いつまで付き合えばいい?

どうも、タナシンです(・∀・)ノ

今回ご紹介したいのはこちら!

スパイ教室01

です。

ファンタジア文庫大賞を受賞した話題作。
ファンタジア文庫公式HPでも大プッシュされている本作品を読んでみましたので、レビューしたいと思います!


追記

2巻の感想も書きました。
よろしければお読みくださいm(_ _)m


作品概要

概要

スパイ教室は冒頭でもお伝えしたように、第32回ファンタジア文庫大賞を受賞したライトノベルです。
作者は竹町氏です。

竹町氏は今回初受賞にしてデビュー作のようです。

本作品は大賞ということもありファンタジア文庫でもかなりプッシュされています。
なにせ、公式HPにはすでに以下のような販促用動画が公開されています。

スパイ教室販促PV(引用: http://fantasiataisho-sp.com/spy/

こちらのPV見ていただくとわかるのですが、すでに登場人物に声優さんがついています。
本作は女の子が沢山出てくるのですが、全員に有名声優さんが声を当てています。
その声は公式HPで聞くことができます
しかも、キャラクターの声が聞けるだけでなく、人気投票まで始まっています。
どうやら、2巻の発売がすでに決まっているらしく、2巻の表紙とするヒロインを人気投票で決めるとのこと。
こんな仕掛けをするほどプッシュしているわけです!

さらに、ファンタジア文庫どれだけ本作を推しているかは、作品の帯を見ただけでもわかります。
あおりの帯は以下のようになっています。

スパイ教室帯

注目すべきは帯の一番下です。
なんと今回はリバーシブルカバーを採用しています!
ちなみに、両面のカバーを並べると以下のような感じです。

第1巻の発売時から両面カバーを採用するほどのイチオシ作品です。

しかも、今回はそれだけではありません!
店舗特典でも仕掛けを施すほどです。
今回私はゲーマーズで購入したところ、以下のようなSSが付いてきました。

ゲーマーズ特典SS

見ていただきたいのが下の部分です。
なんと、SS内にしこまれた誤字をパスコードとして入力すると、公式サイトで極秘アイテムがゲットできるとのこと!
あ、ネタバレですが、この極秘アイテムはスマホとPC用の壁紙です 笑

上記以外にも、店舗と連携した上級編ミッションや各店舗で購入可能な有償特典など、かなり盛りだくさんでプッシュされています。

詳しい情報はぜひ、公式HPを確認してください!

アクセスいただいたサイトはメンテナンス中です
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2巻の表紙とするヒロインの人気投票は1/31まで実施していますので、ぜひ投票してみてください!
声優さんのサンプルボイスも聞けますので、要チェックですよ!

あらすじ

さて、先走って本作がどれだけプッシュされていたかをお伝えしてしまいましたが、肝心の中身のお話をしていきましょう。
公式HPのストーリーでは以下のように記載されています。

あらすじ(引用: http://fantasiataisho-sp.com/spy/

はっきり言います。

このあらすじは本編の内容を全然伝えていません!

ぶっちゃけ、このあらすじを描いた人はちょっとどうかと思います。
もっと書くことあると思います。
というか、作品の良いところを伝えていないというか、「しかし……」の段落で書かれていることにちょっと語弊があるというか、「世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい!」はそれより前の話の流れと別の話というか……
まぁ、このスペースに収めるための苦肉の策だったのでしょう。
でも、共同生活ルールの書き方も本編と違いますし、ぶっちゃけ、このあらすじがすでに騙すためにあるような気がしています。
それを狙ってやっているのだとしたら、大成功ですが 笑

上記は私の意見ですので異論は認めます。
ですが、少し読んでいただければこのあらすじに違和感を覚えると思います。
気になる方は公式HPで本編の冒頭数ページが公開されていますのでご確認ください。

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というかですね、この作品、ファンタジア文庫大賞を受賞した作品ではありますが、正確には受賞作とは別物です。
作者のあとがきでもありますが、受賞時のあらすじと本作のあらすじが全然違います
受賞時からタイトルが変わることはよくありますが、作品が全く別物に変わっているのは珍しいのではないでしょうか?

ちなみに、受賞時のタイトルは「スパイは甘く誘惑される。学校全員の美少女から」です。
あらすじは以下のようになっています。

“男子”スパイ養成学校に通うアンリ=ミザエルは、常に優秀な成績を収めてきたが、とある理由により落第の危機に瀕してしまう。退学回避の条件として突きつけられたのは、渡された1000ポイントが奪われて0にならないように“女子”スパイ養成学校で一ヶ月過ごすこと。逆にスパイ少女には、アンリからポイントを得ると、学内での好成績が保証される! スパイ少女たちは誘惑でアンリを油断させて毒を盛ったり、えっちぃ写真をポイントで売ろうとしたり、決闘を挑んだりと、あらゆる手で迫ってくるが——「言ったはずだ。1ポイントたりとも奪わせない」と、アンリは圧倒的なスパイ技術で魔の手に対抗する! 甘い誘惑を退け女子たちを攻略する、スパイアクション!

引用: https://www.fantasiataisho.com/contest/

全然ちげぇwwwwwwww

主人公の名前すら違います。
おそらく、世界観以外は何も合ってないと思います 笑

実はこの作品、私はあらすじを見てちょっと読んでみたいと思っていました。
ですが、そんなことを忘れた矢先にたまたま本作を手に取り、調べ直したらこの作品だったというオチでした。
なので、大賞を受賞した作品そのものが読めないのは、ちょっとさみしいです。
特に、選考委員が私が大好きな作家である、葵せきな氏、石踏一榮氏、橘公司氏という3名
この方々がプッシュした作品として、とても期待していました!

あ、もちろん、発売された本作自体を否定しているわけではありません
単純に大好きな作家さんたちが「良い」と判断した生の作品に近いものを読みたかったというわがままです 笑

作品の内容と感想

ここからはめっさネタバレしますので、ご注意ください!
まだ読んでいない方でネタバレ厳禁の方はブラウザバック推奨です!

以下では作品の内容をかいつまんで記載しますので、作品内容がガッツリネタバレです!

作品の内容

主人公であるクラウスは凄腕スパイチーム・焔の一員です。
しかし、ある任務によりチームメイトをすべて失い、天涯孤独となります。

そんなクラウスが司令を受けた任務は、自身のチームであった焔が失敗したミッション「帝国から殺人ウイルスのサンプルを奪取する」というもの。
自国・ディン共和国最強スパイチームである焔が失敗し、不可能任務扱いされているこの高難易度ミッションに、クラウスは挑むことになりました。

クラウスはこのミッションに挑むために仲間を集め、チーム・灯を結成します。
そこに集められたのが、各スパイ学校の落ちこぼれの少女たちでした。

クラウスはミッション成功のために少女たちを鍛えることになりました。
しかし、天才スパイであるクラウスは、天才すぎるがゆえに人にものを教えることができず、1つの課題を少女たちに与えることにしました。
それが

『僕を倒せ』

クラウスは、自身を倒させることにより、少女たちのレベルアップを図ることにしました。

そして、来たるべく任務実行の日
クラウス率いるチーム・灯は万全に準備・根回しをし、作戦に挑みます。
しかしそこには強大な敵・ギートがいました。
ギートは、クラウスが所属していたチーム・焔のメンバーであり、クラウスのスパイの師匠でした。
そして、クラウスが唯一戦闘において勝てない相手でした。
ギートはチームを裏切り、死に陥れただけでなく、クラウスの命まで狙うべく、クラウスたちの前に現れました。

しかしクラウスは直前で作戦を変更し、自身を実働部隊にすることで、少女たちにギートの相手をさせることにしました。

とはいえ、クラウスですら敵わないギートを相手に、少女たちが叶うはずもなく、一人また一人と倒されてしまいます。
そして残すところ最後の一人となったところで、クラウスが無線でギートに連絡を入れます。

『たった今、生物兵器を確保したところだ。そう報告しておくよ』

これは、「クラウスは仲間を放っておかない」と予想していたギートにとって、意外な連絡でした。
そして、その混乱に乗じて、ギートに向かい合っていた少女たちはギートに一太刀浴びせます。
少女たちがギートに与えたダメージはわずかでしたが、クラウスとギートの差を埋めるには十分でした。
その後、合流したクラウスにより、ギートは倒され、チーム・灯は不可能任務を遂行しました。

感想

予め予防線をはっておきます。
私は正直に感想を書きます。
ですので、人によっては不快に思われる部分もあるかもしれません。
あくまで一意見として見ていただければと思いますm(_ _)m

まずこの作品について、面白かったか面白くなかったかで言いますと、それなりに面白かったです。
世界観としてスパイというものは最近ではあまり見ない設定ですし、それと美少女をうまく組み合わせていると思います。
出てくる少女たちも可愛らしく、魅力的なキャラクターです。
主人公のクラウスは独特なキャラクターで、好き嫌いは分かれるかと思います。
正直、普通にしていたら超強いスパイというだけで、キャラが薄いような印象を受けます。
ですが、『極上だ』『このお遊びには、いつまで付き合えばいい?』『僕の敵にさえなれないよ』といった特徴的な口癖が、彼のキャラを立てています。
そういった意味で、世界観やキャラクターはよく作られていると思います。

ところが、正直微妙な部分が多々あります。

まずは気になったのは、フィーチャーされているキャラクターです。

今回、女の子は複数人出てきますが、尺の都合上、個別にストーリーが描かれているのが2人になります。
リリィとエルナという少女です。

リリィに関しては、物語冒頭から出てきた少女で、チームのリーダーに任命される女の子ですのでフィーチャーされる理由はわかります。
リリィの特異体質も作品後半で活躍しておりますので。

しかし、エルナに関してはフィーチャーされた理由がわかりません。
ギート戦で一太刀浴びせたのはエルナなので、重要な役割を演じてはいるのですが、個別ストーリーで描かれた特異体質がギート戦で発揮される描写がサラッとしていました。
わざわざ個別ストーリーで丁寧に描いた割には、ちょっと扱いが雑な気がしました。

実際、上記以外のキャラクターも設定としては魅力的で、詳細に描いてほしい娘たちだったので、そちらに紙面を割いても良かったのですはないかと思っています。

次に気になったのが、 下手に叙述トリックを駆使しようとした点です。

ちょっとネタバレを恐れずに書いてしまいますね。
あらすじでは「7人の少女」と記載されていますが、実際には8人女の子がいます。
この叙述的表現が本作の肝であり、敵であるギートが騙される原因になります。
詳細は読んでいただくのが良いですが、チーム・灯を盗聴していたギートを騙すために7人であるかのように8人で生活していたという話です。

ところが今回、ギートにトドメを刺したのが8人目であるエルナです。
そして、ギート戦までに個別シナリオがあるのもエルナです。
つまり、戦闘で隠し玉として使われているはずのエルナが作中で目立ちすぎているため、8人目として出てくることに驚きよりも違和感しかなかったです。

というか、そもそも他のキャラクターの名前が出てくる機会が少なすぎて、倒されているチームメイトが本当に灯のメンバーだったのかわからないくらいでした。
私は、倒されていたメンバーは、実は変わり身でしたというオチかな?と思ったくらいでした。

作者としては、各キャラクターの特徴を文章で示し、特徴的な口調を会話の中で表現しているから、読者にも伝わるだろうという考えだったのだと思いますが、それにしてもディレクションが甘いというか、分かりづらかったと思います。
おそらく、エルナの個別シナリオを丁寧に書いたのは、最後に登場させた際に、「こいつ誰だっけ?」とならないための図らいだったと思いますが、むしろ違和感のほうが大きくなってしまった気がします。

最後に気になったのが、公式HPとの連携が取れてなさすぎる点です。

上記で述べたように、作品内ではリリィとエルナが取り上げられています。
しかし、なぜか公式HPで開催されている2巻の表紙の人気投票では、エルナが選択肢にありません
これだけ作品で貢献していたにもかかわらず、エルナが選択肢に無いのはおかしいと思います。
もしかしたら、ギート戦で隠し玉だったということと、あらすじで7人と言っているため8人にできなかったという事情があるのかもしれませんが、それにしても作中でこれだけ取り上げられたキャラクターを人気投票に入れないというのは人によってはクレームものな気がします……

更に困るのが、公式HPには各キャラクターのコードネームしか記載されていないという点です。
作中で各キャラクターのコードネームはほとんど出てきません
はじめのカラー絵に全員分記載されていますが、本名が添えられていないため、それだけでは誰がどのコードネームかわかりません。
しかも、作中でキャラクター同士は本名で呼び合うので、誰がどのコードネームか理解し難いです。
本文の最後の方に、各キャラクターの特徴と本名は紐付けされている描写があるので、外見と本名の結びつきはなんとなく予想できます。
しかし、その描写が公式HPのキャラ紹介に一切記載されていないので、対応を取るのが大変です。かなり不親切です。
おそらく、コードネームとキャラの対応は以下だと思います。

  • コードネーム・花園:リリィ
  • コードネーム・愛娘:グレーテ
  • コードネーム・百鬼:ジビア
  • コードネーム・氷刃:モニカ
  • コードネーム・夢語:ティア
  • コードネーム・草原:サラ
  • コードネーム・忘我: アネット

上記が間違っているとしたら、作品読んでもその程度しかキャラの対応がわからないくらい分かりづらいですよって言いたくなります。
ここはファンタジア文庫編集部側でなんとかしてくれって思います。

あ、最後の指摘に関しては作品に対する批評というわけではなく、ファンタジア文庫編集部に対する不満かもしれません 笑
まぁ、作中で整理してくださる方がわかりやすいんですけどね。
そこは作者の経験不足というのもあると思いますので、それを指摘できなかったレーベル側が悪いとしましょう。

ちょっと不満が多めに見えるかもしれませんが、作品としては面白かったです。
少なくとも、1日でノンストップで読むくらいには楽しめました。
気になった方がぜひ原作をお読みください!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今まで褒めちぎることしかなかったラノベ紹介ですが、私は基本的に正直にしか感想を書きません。
ですが、批判するために記事を書いているわけではないです。
記事にしているのは面白かった作品や今後に期待したい作品を挙げています。
決してバッシングをしたいわけではないです、

なので、本作・スパイ教室も今後に期待をしています。
世界観やキャラクターはとても良いと思いますので、作者の力がついてくれば面白い作品になると思います!
期待してます!

ちなみに、実は他にも紹介したい作品があります。
それが

お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。

です。

この作品、いい感じに主人公がひん曲がったまま真っ直ぐな作品でとても好きで、1巻発売当初から紹介しようと思いつつもタイミングがなくできなかった作品です。
先月4巻が発売されたので、紹介記事を書こうと思ったのですが、作者のあとがきに衝撃的なことが書いてありました。
なんと

打ち切り

とのことです。

個人的には絶対に面白い作品だと思っていたので、とても悲しいです。
「俺の青春ラブコメは間違っている」とかが好きな人は絶対好きだと思います。
このブログでも紹介している「弱キャラ友崎くん」が好きな人も好きだと思います。
ただ、売上が上がれば続刊される可能性があるみたいなので、近いうちにこのブログでも取り上げたいと思います!
お楽しみに。

それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪

コメント

  1. […] 「スパイ教室01」感想 ファンタジア文庫が送る新ジャンル 乙女たちが挑む不可能任務に手に汗握る作品!ところでーーーー、このお遊びには、いつまで付き合えばいい?今回ご紹介した […]