「弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで 2」感想 ゲームの真骨頂、開発戦から目が話せない!

ラノベ
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「あたしの本名は書かないで」

どうも、タナシンです(・∀・)ノ

今回ご紹介するのはこちら!

弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで 2

表紙

いろいろ立て込んでおり、発売からだいぶ経ってしまっていますが、1巻からレビューしている本作ですので、今更ながら紹介していきます!

前巻の紹介は以下の記事でしておりますので、興味のある方お読みくださいm(_ _)m

店舗特典

こちらの作品は受賞作品ということもあり、ささやかながらいくつかの店舗で特典が用意されています。
詳細は下記の公式HPをご覧ください。

と言っても、時期が時期ですのですでに手に入れるのは難しいのですが……
すみません(´;ω;`)

一応私はメロンブックスで購入をし、店舗特典をゲットしました。
メロンブックスの店舗特典は書き下ろし4Pリーフレットです。

メロンブックス書き下ろし4Pリーフレット

また、全国の特約店で付いてくる書き下ろしSSペーパーも付いてきました。

書き下ろしSSペーパー

これらの特典はすでに手に入れられませんが、作品自体は全国のショップで購入できますので、興味のある方は要チェックです!

【小説】弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで(2)【ゲーマーズ】 【小説】弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで(2)【アニメイト】

2巻のあらすじ

ここからはガッツリネタバレしますので、ネタバレが嫌な方はブラウザバック推奨です。
気をつけてください!

一応、今回は詳細内容を閉じておく仕様にしましたので、そのままスクロールしてもネタバレは避けられますよ!
読む人は開いてお読み下さい。

第2巻あらすじ

第2巻公式あらすじ

廃部の危機を乗り越え、夏休みを迎えた命薫高校ソシャゲ部。四人は茜の推薦によって、優秀な学生が集い、開発したゲームの出来を競う大会へ参加することに!

加えて、解の入部後初めての『開発』に張り切るソシャゲ部の元に、解たちの活躍を知った声優志望の新入部員・夜桜藍奈がやってくる。

こうして藍奈も加わり、五人でソシャゲ作りに取り組んでいく……はずが、解がスランプに陥ってしまうだけでなく、絵瑠と藍奈の間にも並々ならぬ確執があって、開発どころではなくなってしまい――!?

第6回オーバーラップ文庫大賞・金賞のソシャゲ×青春ラブコメ、波乱の第二巻!

引用:https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=9784865546774&vid=&cat=BNK&swrd=

というわけで、今回は新しいメンバーを加えての開発戦になります。
ゲームを作る部活といえば開発!
いよいよゲーム部として本格的な内容になってきましたね!

詳細内容

ここからは具体的な詳細内容になります。
ネタバレOKの方のみ、以下をクリックして内容をお読みください。

夏を迎えたソシャゲ部一同は、解の姉・美沙子からもらったチケットで湯沢のレジャープールに来ていました。
本来はソシャゲ部のメンバー+美沙子というメンツで行く予定でしたが、急遽美沙子がいけなくなったこともあり、茜が同行することになりました。

そこで、茜からある話をもらいます。
それが、

サミットの招待

でした。
サミットとは、正式には「スクール・ゲーム・デベロップ・サミット」と言い、全国ソシャゲ部の開発戦の大会です。

本来、解たちが所属する命薫高校ソシャゲ部は、サミットに参加できるほどの実績はありませんでしたが、先のガルロ改修案件が認められ、特別に月ヶ瀬高校の代理として出場することが許されました。

開発戦は、参加している期間中の既存ゲームの運営が手薄になるという点で、メンバーが貧弱な命薫高校ソシャゲ部にとって、参加するには懸念が多いものでした。
しかし、大変であることを承知の上で、解たちはサミットへの参加を決めます。

その翌日、サミットの前準備の話し合いをしようと集まった解たちの前に、七花が一人の少女を連れてやってきます。
その少女・夜桜藍奈は、解たちと同じ2年生の女子でした。
藍奈はソシャゲ部の新入部員でした。
しかも、藍奈はただの新入部員というわけではなく、元子役であり、現声優の卵でした。
さらに藍奈は中学時代、絵瑠と同じ部活に所属していました。
しかし二人の仲は良好というわけではなく、当時に起きた問題もあり、絵瑠は藍奈を毛嫌いし、入部を断固拒否しました。

そんな突然の入部者があった翌日の朝。
解は日課のソシャゲチェックのルーティーンを玄関のチャイムに邪魔されました。
訪問者を確認すると、そこには昨日入部した藍奈がいました。
藍奈は、既存のゲームのアップデートの際、自身を声優として使ってほしいという以来のために、解の家を訪問したのでした。
解は冷静に考えて、現状それが難しい旨を伝えましたが、それを聞いた藍奈の態度は一変。
今までのが演技だったと明確にわかる腹黒さを出します。
とはいえ、現状ボイス付きのアップデートが難しいことを理解していた藍奈は、素直に引き下がっていきました。

そしてその翌日からは、藍奈を警戒する絵瑠による気まずさはあるものの、解たちはサミット開始に向けた既存ゲームのアップデート前準備を着々と進めていきました。

そして迎えたサミット開会式当日。
解たちは東京の会場で、対戦高校の金剛院学園と相まみえます。
金剛院学園は、ゲーム性はともかく、グラフィクの綺麗さに定評がある学園です。

開発戦は2つのキーワードが与えられ、それをテーマとしてゲームを開発します。
解たちが金剛院学園と対戦することになった開発テーマは「キャラクター」「息遣い」でした。

解は開会式から早々に立ち去ると、皆に自分が企画書を作成すると宣言し、作業に取り掛かります。
しかし、初めての作業ということもあり、解の進捗は芳しく無く、ふと散歩にでかけます。
そこで一人の老婆に出会います。

老婆の猫を助けたところ、老婆に気に入られ、家に連れて行かれます。
なんとそこは藍奈の自宅でした。
ひょんなことから対面した解と藍奈でしたが、解は藍奈の声優に対する本気の思いと叱咤に触れ、再度企画書との格闘に戻ります。
しかし、その格闘虚しく、解は納得のいく企画を用意できずに部活を迎えることになりました。

解たちは仕方なくブレストから始めました。
しかしその矢先、対戦相手の金剛院学園の情報が入ってきます。

3Dアクションゲーム

それが金剛院学園が開発戦に向けて進めている企画でした。
そんな情報をもらっても、未だに企画ができあがらない解。
それを案じた七花は、気分転換に解を買い物に誘います。
デートっぽい雰囲気になった2人ですが、偶然七花の友人に出会います。
そこで七花は花火大会に誘われるのですが、ノリ気ではない七花は断りきれず困惑していました。
それを見かねた解は部活仲間で行くことになっているという嘘でその場をしのぎます。

そんな昼間の出来事について、その夜解と七花はメッセージアプリで会話をしていました。
そして、その会話を通して、解は一つの企画を思いつきます。

それは、メッセージアプリ形式で進めるノベルゲームでした。

メッセージを通して、キャラクターの息遣いを感じてもらうという企画です。
部活メンバーにもほぼ同意を得ることができたこの企画は進むかに思えましたが、1つだけ問題が起きました。
それは絵瑠が放った一言でした。

「私がイラストを担当する以上、そこの女に腐った声をつけられることは断固拒否するのだわ」

絵瑠は藍奈が自分の絵に声をつけるのは嫌だとのことでした。
そして、その理由を告げずに失踪します。

解はなんとか絵瑠を探し出し、藍奈を拒否している理由を聞き出します。
そして、絵瑠が藍奈を拒絶している理由が、「中学時代の部活で、藍奈が絵瑠の絵をズタズタにしたこと」だと判明しました。

しかしそれは絵瑠勘違いでした。
正確には、絵瑠に嫉妬した中学時代の部活の部員が、絵瑠の絵をズタズタにし、それにいち早く気づいた藍奈を、絵瑠がたまたま見つけてしまったというものでした。
それどころか、藍奈は誰よりも絵瑠の絵に惚れ込んでいる一人でした。

その事実に気づいた解と七花は、絵瑠のために当時の絵を復活させることにしました。
それは、今回のゲームのキャラクターとして、復活させるということでした。
七花により再現された絵と文によって動かされたキャラクターに、藍奈が声を当てる。それを絵瑠にぶつけたとき、頑なだった絵瑠の心の壁が崩れる音がしました。

紆余曲折を経て、やっとひとつになったソシャゲ部の面々は、いよいよ開発を完了させるべく、スパートを掛けます。

そして、審査当日

最後に審査される順番であった解たちは、緊張の面持ちで出番を待ちます。
先に審査された金剛院学園は、グラフィックレベルの高い3Dアクションゲームを出してきており、テーマに対する回答としては捻りはないものの、高い品質のゲームでした。

そしていよいよ解たちの番。
一通りゲームをプレイした審査員・一二三鉄馬は腕を組み、天を仰いで唸ります。
そして、スッパリとした声で告げます。

「命薫高校の勝ちだ」

それは、解たちへの勝利通告でした。
自分たちのやりたいこと、それを貫いた解たちがもぎ取った勝利でした。

こうして、解たちは開発戦でも実績を残すことに成功しました。

以上が本編の内容でした。

感想

個人的には今回のお話はちょっと微妙に思いました。

ここから下は読むと不快になる方もいるかも知れないので、ご注意くださいm(_ _)m

今回、本作が発売されから感想を書くまでにだいぶ時間がかかったのはこれが理由です。
実は発売されて早々に読了していました。
ですが、感想としてちょっと思うところもあり、それを正直に書いて良いものか悩んだために、時間がかかりました。

本作は新キャラクターと藍奈が出てきます。
序盤は解を困らせるなど、キャラが立っている感じがして良かったのですが、後半になるにつれてちょっと立ち位置が微妙になったと思っています。
藍奈の過去話や、絵瑠との因縁など、話の登場の仕方としては一番出ていたと思います。
ですが、今回問題として大きく目立っていたのは絵瑠だと思います。
というのも、部活メンバー全員が、絵瑠の説得のために動いていたからです。
この、

物語の問題の中心が、いつの間にか絵瑠になっていた

という点が、本作の一番の問題だと思います。
1巻でひと悶着あってまとまりつつあったソシャゲ部が、一人の新入部員によって分裂するという構図はダメとは言いません。
ですが、新参者が古参者を説得する側に回るといいますか、新参者のほうがすんなりコミュニティに入っているというのは話の流れ的に違和感がありました。

ただ、そこについては過去の話の持っていき方次第ではありだろうと思っています。
今回の何が一番良くないかというと、繰り返しますが

問題の中心が絵瑠

という点につきます。
こいつ、1巻でも問題の中心だったんですよ。
また問題の中心にいるわけですよ。
しかも、1巻で多少打ち解けたかと思ったのに、仲間に理由すら言わずに藍奈をシャットアウトです。
この態度がいただけなかったです。
はっきり言って、今回の絵瑠はただのわがままコミュ障で、良いところが一つもなかったと思います。
この絵瑠の扱いは、作者が意図的に絵瑠嫌われキャラに仕立て上げようとしているか、もしくは好きが行き過ぎて変な扱いになっているかどちらかだと思います。

正直個人的には、絵瑠問題の中心に来たときに「またか」と思いました。
キャラ物であるラノベは、基本的にキャラクターを楽しむための娯楽です。
キャラクターを楽しむという点で、元から魅力的なキャラはそのままで十分ですが、そうでないキャラクターは作中での変化が魅力になってくると思っています。
その点、今回の絵瑠は1巻から成長がありません。成長の兆しがあったにも関わらず、戻った感じがします。
その戻るというのも、絵瑠の魅力的なアイデンティティなら良いですが、ぶっちゃけ面倒くさい部分がより浮き彫りになってしまった感じがします。

と、上記だけでもちょっと思うところがあったのですが、開発戦のアプリの部分も微妙だったと思います。
散々藍奈と絵瑠の問題に紛糾したにもかかわらず、開発戦のアプリにおいてその2人の貢献が少ないです。
描写が少ないだけでなく、そもそも貢献が少ないです。
散々出番を訴え、物語に関わってきた藍奈は、ゲームでほとんど使ってもらえませんでした。
散々現場を困らせた絵瑠は、それを挽回するような活躍は描かれませんでした。
そして、解と七花だけが目立って終わりました。
正直、藍奈と絵瑠がただの引き立て役です。
最終的には主人公とヒロインが目立つことは悪いことではないですが、他のキャラの扱いがぞんざいな気がしました。

今回は新キャラの藍奈や金剛院美麗が良かっただけに、個人的にはとても惜しいと感じています。

ゲームのテーマも「キャラクター」と「息遣い」でという面白い内容だったと思います。
このテーマで、かつ解たちの企画を鑑みれば、もっと魅力的なゲームにできたと思います。
そうしなかったのは、作者がそこまで考えられなかったのか、高校生だから多少粗さがあったほうが良いという判断なのかわかりません。
ですが、勝たせる以上、魅力は最大限高めて良いと思います。

とまぁ、散々書きましたが、作品としてはちゃんと面白かったです。
1巻と比較するとちょっとなと思っただけで、このシリーズは引き続き注目しています。
なので、

頑張れ、紙木織々!

まとめ

いかがだったでしょうか?

基本的にラノベの感想で悪いことは書かないのですが、今回は期待しているがゆえに、ちょっと厳しいことを書きました。
この作者ならもっとうまく書けるはず!と信じているからこそだと思っていただければと幸いです。

今後の引き続き本作を応援していきます!

それでは、今回はこのへんで!
では、また次回(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪

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